「よく言うじゃないですか、『あなたの頑張りは誰かが見ている』って。でも、今は『じゃあ一体誰が見てくれているんだ?』と思います。結局、自分がどんなに頑張ったって評価されるかは周り次第で、自分から見てもらいにいかないと見てくれない。QLCの時期を経て、ある意味、自分はリアリストになったと思いますね」
本連載の応募フォームから、「僕みたいな20代を送った人って、けっこういると思うんです」と取材を申し出てくれた古川さん。
これまで本連載で取り上げてきた事例では、明確な目標を見出せず苦悩する人たちが比較的多かったが、声優という夢に向かって突き進む20代を送り、一種の悟りにも似た心境を語るに至った半生に興味を抱いた。
ゲームプログラマー志望から声優の世界へ
「もともと小学生の頃から興味があったゲーム制作を学ぶため、地元の工業高校に進学し、プログラミングの勉強をしていました。でも、優秀なプログラマーとして両親や会社から期待され、結果的に挫折して実家に引きこもるようになった3つ上の兄の姿を見て、『本当にこれがやりたかったんだっけ?』と思うようになったんです。
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