年収500万の31歳彼が「タイの田舎」で超幸せな訳 「レールの敷かれた人生」から逃げ続けた結末

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サラリーマンとして働く自分を想像できず、大学を中退し、国内外で農業ボランティアに従事してきた男性。そんな彼が今、「タイの田舎」で幸せに暮らしている理由とは?(写真:think4photop/GettyImages)
20代半ばから30代に訪れるとされる「クォーター・ライフ・クライシス」(以下QLC)。一人前の大人へと移行するなかで、仕事、結婚、家庭などなど、自分の将来の生活や人生に対して「このままでいいのか?」と悩み、漠然とした不安や焦燥感に苛まれる時期のことを指す。
もともと2000年代前半にイギリスの研究者たちが用いるようになった言葉だが、日本の若者たちの関心も集めつつあり、SNSやブログで自身の心境をつづる人も。
そこで、本連載では性別職業問わず、さまざまなアラサーたちに取材。それぞれのQLCを描きながら、現代の若者たちが味わう苦悩を浮き彫りにしていく。今回紹介するのは、国内外を放浪する20代を過ごしたのち、現在はフリーランスのエンジニアとして働きながら、この1年ほどは「タイの田舎」で暮らしている牧田真一さん(仮名・31歳)のケースだ。

「働く自分」をイメージできず大学中退

「出身は仙台ですが、小学校の間は千葉で、中学生が神戸。高校は博多と、転勤族の父親の影響で、子供の頃から転校を繰り返してきました」という牧田さん。福岡県の進学校から1浪ののち、大阪府にある大学に進学するも、3年時に中退している。

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「もともと建築デザインに興味があったんですが、当時のデザイン業界は最初10年ぐらいの修行期間があるくらい過酷な業界と知り、朝から夜中まで安月給で働く待遇が自分には想像できず、大学を中退しました。

当時はもっとボンヤリした感覚で、なんとなく身体が動かなくなったという感じですね。朝起きられなくなって、一人暮らしの部屋に引きこもる無気力状態が2カ月ほど続き、そのまま誰とも連絡を取らず大学を辞めました」

浪人生活もあまり勉強せず、大学受験も失敗していたと語るが、大学1年の頃は真面目に授業に出席し成績も上位。中退したところで明確な将来のイメージがあったわけではない。だが、「大学を卒業して社会で働き、30歳くらいで結婚する人生」への違和感、とくに働くことに対して人一倍強い恐怖感を抱いていたという。

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