移住増も喜べず「石垣島」地元タクシーが語る苦悩 現地を訪れてわかった地元住民の複雑な心情

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沖縄の離島を取り巻く複雑な事情に迫ります(筆者撮影)
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「あれは孔雀。時にイノシシも出る。この島では車はゆっくり走ることがルールだから」

沖縄の離島を訪れると、島を走る車の速度がゆっくりだということにすぐに気づく。それはタクシーも同様だ。高齢者が多いこともその理由の1つだが、生物を守ることも意味しているという。

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石垣島を一度も出ることなく、定年退職後にタクシードライバーになったという原さん(仮名・60代)は、空港に向かう車中で冒頭のようにつぶやいた。

制限速度は40キロ。動物の飛び出し注意表示が目立ち、サトウキビ畑やパイナップル、石垣牛などの酪農従事者のものであろうトラクターなども公道を走る姿が散見される。

自然で飯は食えない、でも故郷が変わる寂しさも

「シャイで一見無愛想だけで打ち解けると人懐っこいのが石垣民ですよ」と原さん少し遠慮がちに話す。

「この島もずいぶん変わりましたよ。自分が子どものころなんか、人口は3万人くらい。それが今は5万人でしょ。純粋な島民は減り続けているので、本島や移住者だけでも2万人くらい増えた計算になるからね。リゾート開発が行われ、観光業の産業が発展し、雇用も生まれた。自然、自然で飯は食えないから……。その一方で、故郷が変わっていく寂しさもありますよ。島民にとってどちらがいいかと聞かれる、と難しいね」

石垣市内をタクシーで走ると、市内のところどころに「リゾート開発反対」の看板が目に入ってくる。その看板をあざ笑うかのように、新たにゴルフ場開発が予定され、港ターミナルでも大型の開発が行われていた。

急速に観光地化が進み、そこに共存していく地元は何を思うのか――。沖縄の離島を取り巻く複雑な状況を、タクシードライバーの視点から切り取っていく(沖縄本島のタクシー事情は『意外と少ない観光客利用「沖縄タクシー」独特実態』参照)。

今もリゾート開発が進む石垣島(筆者撮影)
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