客が蒸発「成田空港タクシーバブル」崩壊のどん底

年収1000万円の運転手もいたが、今は閑散

成田空港で客を待つタクシー。コロナ禍でその数は激減した(筆者撮影)

国内最大の玄関口となる成田空港国際線第2ターミナルのタクシー乗り場。ここはインバウンド需要増により訪れた2019年までのタクシーバブルの影響を享受し、最も象徴的な場所でもあった。少なくとも、新型コロナウイルスの感染が拡大する前までは――。

筆者はコロナ前からたびたび成田空港を訪れては、タクシーの動きを取材してきた。その結果言えることは、国際線のタクシー乗り場は間違いなく日本一の“ドル箱”だったということだ。

ドライバーたちによれば、成田空港から都内への移動は定額料金が適用され、例えば新宿まで片道で2万4000円となる。ピーク時の2017年~2019年にかけては、1日あたり3~4本都内へ移動する外国人客を乗せたという。単純計算でも1日に10万円近い売り上げとなる。

新人もベテランも関係なく人を拾えた

2019年に訪れた際には、第2ターミナルだけで乗り場と待機所を合わせて約200台のタクシーが列をなすという“異常な”状態だった。それでも人とタクシーは次々と流れていき、また送迎が終わると図ったようにこの場所に戻ってきていた。

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ところが2020年12月に取材に行った際には、長距離乗り場はわずか5台のみへと激減していたのだ。暇を持て余したドライバーたちが外に出て談笑しており、その輪の中にいた成田営業歴10年以上のベテラン・吉村さん(仮名・60代)はこう話した。

「2017年~2019年にかけては、成田の国際線で普通に営業しているだけで10万近く稼げたかな。東京までなら、一乗車あたりの水揚げ(売り上げ)が2万円強。多い日だと、それが1日6本とか入っていたから。

何か特別なことをするわけではなく、ただ待つだけ。運がいいと、ホテルから成田空港へ戻るお客さんを拾えることもたびたびあった。極端なことを言えば、新人でもベテランでも関係なく人を拾えたわけです。だからドライバーもウハウハで、年々台数が増えていった。そんな場所は間違いなく成田だけだった」

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