「センスがいい人」は色の使い方にひと工夫がある 「色の教養」を身につければ仕事でも役に立つ
「○○限定、○○カラー」と銘打った商品が売れやすいのは周知の事実だ。いつの頃からか、店頭には多くの「限定色」が並ぶようになった。と同時に、提供する側のコンセプトが不明瞭な「限定色」も散見されるようになったことを、私たちは無意識に感じているのではないだろうか?
たとえば一時期、「女性をメインターゲットとする商品やサービスに使用する色はピンク系」と言われたことがあった。ある部分では真実かもしれないが、これを絶対法則のように勘違いしていると、必ずしも成功しない。ひと口にピンクと言っても、多種多様である。
今回は「クライアントの心に響く色」を提供するためのひとつの方法として、色に意味を持たせることの有用性を、新刊『毎日楽しい!色の日めくり配色帖365』から紹介する。
人の視覚は、驚くほど微妙な色の違いを識別する!
諸説が存在するが、人の視覚は条件が整っていれば約750万、通常の状態でも約180万にも及ぶ微妙な色の違いを識別する能力を持つとされる(参考:『”よい色”の科学』 近江源太郎著/日本規格協会より)。
もちろん個人差もあると思われるが、たとえば、毎朝決まって顔を合わせる家族あるいは職場の同僚の顔色を見て「いつも通り元気そうだ」とか、「あれ?やけに青白いけど、調子が悪いのかな?」と感じるのだから、やはり微妙な色の違いをキャッチしていることは間違いない。
そう考えると、「女性向け商品だから、とりあえずピンク」という考え方や、「今回は無難なブルー系でまとめる」という色の決め方はいささか乱暴であり、SNSで時々つぶやかれる「デザインは気に入ったけれど、色が微妙だったので買わなかった」という意見も、無視できないものとなる。
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