「センスがいい人」は色の使い方にひと工夫がある 「色の教養」を身につければ仕事でも役に立つ

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■色の名前には、その土地の気候風土・文化・歴史が反映されている!

「色の名前」とは、ある時代にある場所で、人々が必要としたために生まれたもの。色の由来を学ぶことは、その色が生まれた場所の文化や歴史を学ぶことにつながる。本書で取り上げた365色はいずれも「色名から話題が広がる」ことを考慮し、選定している。その一部を紹介しよう。

イタリアのトスカーナ州・シエナの土から作られる顔料は、「○○シェンナ」という色名で呼ばれる。ちなみに弁柄(ベンガラ)と呼ばれる赤褐色は、インドのベンガル地方で産出する顔料である
日本伝統色名。いずれも紫草の根から採れる染料に由来するが、京と江戸それぞれの名を冠した、ニュアンスの異なる紫となっている

「色」そのものに価値を見出そう

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私たちは朝から晩まで色に囲まれて生活をしているために、良かれ悪しかれ「目の前にある色」に対して鈍感になっている。

その視点に立つならば、色の教養は身につけるのではなく、使いこなすものだ。

ここまで見てきた通り、あらゆる色には人と同じように「名前の由来」や「歴史」がある。これをビジネスシーンで活用できる宝の山と考えると、色の見え方も変わってくるのではないだろうか。

桜井 輝子 東京カラーズ株式会社代表取締役

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さくらい てるこ / Teruko Sakurai

1967年生まれ、東京都出身。東京カラーズ株式会社代表取締役。日本色彩学会正会員、色彩検定協会認定色彩講師、インテリアコーディネーター。人に役立つ色彩提案、企業研修やカラーコンサルティング、大学・専門学校での色彩学講師、色彩教材の企画制作など、色にまつわるさまざまな分野で活躍。2014年に日本人として初めてスウェーデン国家規格ナチュラルカラーシステム(NCS)の認定講師資格を取得し、普及に努めている。色彩や配色に関する著書・監修書はこれまでに23冊を数え、中でも『配色アイデア手帖』シリーズ(SBクリエイティブ)は、累計39万部を超える圧倒的な人気を誇り、全世界で翻訳され、親しまれている。

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