「すぐキレる子」の脳にスマホが与えた深刻な影響 ジョブスが子どもをデジタルから遠ざけた真相
数か月前、職場の廊下ですれ違った同僚に引き留められた。彼女は切実な様子で、「ちょっと話があるんだけど」と言って、私の返事を待たずに、8歳の息子が抱えている問題を次々と話し始めた。
8歳の男の子に起こった異変
彼女の息子ライアンは、この1年で、徐々に落ち込んだり、イライラしたり、孤立したりするようになっていた。ささいなことで泣いたり落ち込んだりしてしまうことが、日常茶飯事になっているという。ライアンは友だちと一緒にいる時間が減り、自分の部屋にこもって、何時間もひとりで自分のスマートフォン(スマホ)でゲームをしていることが多くなった。学校ではほとんどすべての科目で落第点を取り、教師は、彼の注意力の散漫さと整理整頓のできなさに不満を抱いていた。
ライアンは半年にわたって、2人の児童精神科医と3人のセラピストによる診断と治療を受けていた。最初は「ADD(注意欠陥障害 )」と診断され、次に「高機能自閉症」、最後に「双極性障害」と診断された。4回目の投薬治療を受けていたが、同僚はどの治療法も息子を悪化させるだけだと感じていた。
「どうしたらいいのか、わからないの」と同僚は顔をしかめた。「何かを見落としているような気がするの。投薬について、あなたの意見を聞きたくて」
薬の問題はさておき、私はライアンのような「問題」を抱えた子どもたちを毎日見ていることを伝え、「デジタル機器のスクリーンが、脳と神経系を過剰に刺激すること」「特に子どもへの影響が大きいこと」を説明した。
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