第4回 いじめを受けた「発達障害」の彼女が語る薬の闇
小中学校に発達障害の可能性のある児童が6%いる――。2002年に文部科学省が初めて行ったある調査は、発達障害の問題を学校現場に浸透させるきっかけとなった。
「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査」。発達障害の実態を明らかにする目的で始まったこの調査は、その後10年ごとに実施され、2012年、そして今年も行われている。
2002年の調査には当初、一部の現場教員から強い反発があった。20年前に一体何があったのか。当時の経緯から、発達障害が急増する背景が見えてきた。
75項目で教師が児童を「点数化」
2002年の文科省調査の翌年、東京都では都内の全小中学校を対象に、文科省調査と同じ調査が実施されようとしていた。文科省の調査と、発達障害を新たな支援対象にするという文科省方針を受けての悉皆調査だった。
都内の小中学校の教師たちには、文科省調査で使用されたのと同じ調査用紙が配られた。当時配布された調査用紙を入手したところ、そこには教師が児童をチェックするための75の質問項目が並んでいた。
調査用紙は3分野に分かれる。
学習面では「聞き間違いがある」「音読が遅い」などの30項目、行動面では「課題や遊びの活動で注意を集中し続けることが難しい」「日々の活動で忘れっぽい」「過度にしゃべる」といった18項目、そして対人関係では「大人びている」「みんなから『〇〇博士』『〇〇教授』と思われている」「独特な目つきをすることがある」「他の子どもは興味を持たないようなことに興味があり、『自分だけの知識世界』を知っている」といった27項目が並ぶ。
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