発達障害の子どもを排除する厳格な「学校ルール」 「普通に成長した子」しかいられない通常学級に

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学校のルールが厳格化され、通常学級から排除される子どもが増えている(写真:@yume/PIXTA)
日本で子どもの人口が減少する中、「発達障害」と呼ばれる子どもは増え続けている。2006年に発達障害の児童数は7000人余りだったが、2019年には7万人を超えた。それに伴い、子どもへの向精神薬の処方も増加している。
発達障害の子どもは、どうやったら学校で過ごしやすくなるのか。特集「発達障害は学校から生まれる」の第8回は「発達障害の子どもを排除する厳格な『学校ルール』」。
子どもの特性や困りごとに応じて、学校側が環境を調整することを「合理的配慮」という。東京都公立小学校教員を務め、合理的配慮の実践事例集『つまり、「合理的配慮」って、こういうこと?!』の編集に携わる宮澤弘道教諭に、発達障害の子どもを取り巻く学校の課題を聞いた。

――発達障害の子どもは、なぜ増えているのでしょうか。

教師たちが当たり前のように思っている教室の環境が、一定の子どもを排除するルールになっていると感じています。2006年に改正された教育基本法では規律や規範が重視され、各学校で学力向上のための「学習スタンダード」が導入され始めました。「◯◯小学校スタンダード」などと、独自の細かい決まりごとを作る学校が増えています。

例えば、授業の前に「気をつけ。これから◯時間目の挨拶を始めます」と言ってから、担任教師の目を2秒間見るといったルール。この儀式が苦手な子がいると、いつまでも授業が始まらず、「あいつのせいでまた待たされている」と周りの子も思うようになります。授業に集中できない子どもがいても、教師の授業の組み立て方が悪い、とはなりません。

ルールに収まらない子が増えるのは必然

私は挨拶なしで授業を始めますが、面白い授業をすればスタート段階で一斉にこちらを向くし、つまらない授業をすれば、いつまでもざわざわしています。それは子どもの責任というより、プロとして私がだめだということです。

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整列や一斉に腰を下ろすといった集団行動も同じです。できない子がいて何度もやり直しさせていると、周りも次第にその子を否定的に見るようになります。

学校のルールがどんどん細かくなるので、そのルールに収まらない子が必然的に増えてくる。その結果、ひと昔前であれば「この子がなぜ?」という子どもが、特別支援学級に行くことが増えました。

――特別支援学級の児童生徒数は、この10年間で2倍に増えていますね。

周りの友達にすぐに手が出る。授業中にうるさくて周りの子が勉強できない。主にこの2つが通常の学級にいられなくなる原因になっています。

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