「すぐキレる子」の脳にスマホが与えた深刻な影響 ジョブスが子どもをデジタルから遠ざけた真相

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幼少期にスクリーンに接していることが、言語や読み書きの遅れと関連しているという事実を踏まえれば、脳が耐えられるようになるまでスクリーンに触れさせないことは、重要かつ長期的なメリットがあると考えられる。テクノロジーの導入を遅らせることが賢明だと考えるのは、私だけではない。

たとえば、自然な教育方法で有名なウォルドルフスクールのような一流の私立学校では、6年生になるまでコンピュータトレーニングを導入していない。

アップルCEOは子どもからデジタルを遠ざけた

興味深いことに、シリコンバレーのハイテク企業のCEOや幹部の多くは、わが子については、ウォルドルフスクールをはじめとするローテクの「自然教育」を好んでいるのだ。

スティーブ・ジョブズは、自分の子どもがデジタル機器に触れることを厳しく制限したと言われており、他の多くの企業幹部や裕福なベンチャーキャピタリストも同様である。

テクノロジーや金融の世界でトップに立つ人たちが、最高のリソースを手に入れることができる立場にあるにもかかわらず、わが子にテクノロジーを導入するのを遅らせたいと考えているとしたら、それはいったい何を意味するのだろうか?

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わが子が「取り残される」心配をしている人に、忘れないでほしいことがある。それは「害を与えないのが最優先」ということ。

デジタル機器に触れることが成長期の脳に与えるリスクと、わが子がテクノロジーの進歩に遅れを取っていないという安心感とを、慎重に比べる必要がある。「みんなに遅れを取らない」ことは、どこまで重要だろうか?
断言しよう。

「取り残される」のは、「集中力のない子ども」である。

ヴィクトリア・L・ダンクリー 精神科医・医学博士

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Victoria L.Dunckley

特に小児対象の統合的な精神医学の実践で定評があり、過去10 年間で、通常の治療法で効果が見られなかった子どもたち数百人を救っている。デジタルスクリーン、環境要因、食事療法、投薬が行動に及ぼす影響の研究で受賞歴多数。特にデジタルスクリーンについては、100を超える文献・論文をもとにまとめ米国ベストセラーとなった本書で、子どもの気分・睡眠・認知・行動の問題を引き起こし、小児性肥満症の要因になっていると述べている。メンタルヘルス専門家として、NBC『トゥデイ』『ナイトリー・ニュース』などにも出演。

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