日本の管理職には「ビジョンがない」残念な現実 山口周さん×中川淳さん対談(3回目)

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中川政七商店の中川淳氏と独立研究者の山口周氏による対談、3回目です(撮影:香川優子)
何のために働くのか。何のためにこの仕事や会社はあるのか――。ビジョンの重要性が以前にも増して注目される今、「ビジョンは経営資源であり、人生の武器になる」と喝破するのが、中川政七商店の中川淳氏と独立研究者の山口周氏だ。
経営者、リーダー、そして一人一人が仕事のうえでビジョンとどう付き合うのか。今回は日本型リーダーシップをビジョンの観点から分析する。『ビジョンとともに働くということ』より一部抜粋、再構成してお届けする。
1回目記事:創業300年・中川政七商店が「違う土俵」へ行けた訳
2回目記事:「社会への違和感」が強いビジネスを生み出す理由

日本の管理職は、部下をビジョンで引っ張れない

山口:前に僕が働いていたコーン・フェリーというコンサルティング会社では、1970年代からずっとリーダーシップに関する調査を行なっていました。そこでは、組織を動かすリーダーのスタイルを「率先垂範型」「指示命令型」「民主型」「関係重視型」「育成型」「ビジョン型」という6つのパターンに分類しています。

中川:当然、同じリーダーが複数の「型」を使うこともあるわけですよね。

山口:そうです。ただ、ひとつしか使っていない人も多いんですよ。パナソニックやトヨタなども含めて日本を代表する企業の管理職が対象で、僕がいた最後の年は8600人ぐらい調査しましたが、そのうち2500人、およそ3分の1は6つのうちひとつの型だけを使うリーダーでした。

その人たちはどうやって部下を動かしているかというと、「率先垂範」や「指示命令」が多い。つまり、あまり部下に任せずに自分でやっちゃうタイプと、「つべこべ言わずに俺の言うとおりやれ」というタイプが多いんですね。一方で「ビジョン型」1本だけを使っているという人はほぼゼロです。

中川:ビジョン1本で人を動かそうとするリーダーは皆無ということか。

山口:はい。6つのうち2つの型だけ使っている人は4500人で、組み合わせは「率先垂範と民主」「指示命令と民主」が多くなっています。つまり、自分でやっちゃったり、「こうやれ」と言うだけではなく、部下にも意見を求めて話を聞く。3つ使っている人は、そこに「関係重視」、つまり部下と仲良くするパターンが加わることが多いですね。

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