数学嫌いに伝えたい「sin」「cos」が社会で役立つ訳 実生活のさまざまなところで使われている
この図が思い浮かぶと、物理の問題も解きやすくなります。
例えば、斜面を転がってくるボールにどんな力が働くか、という問題があったとしましょう。摩擦がなければ、重力mgと、斜面がボールを支える力、いわゆる垂直抗力N、この2つの力で物体の運動が決まります。このような場合、座標軸を設定してそれぞれの方向にかかる力を考えることになります。
座標軸の取り方はいろいろありますが、ここでは斜面と平行な方向をx軸、斜面に垂直な方向をy軸にしましょう。
mgをx方向とy方向の成分に分解すると図4のようになります。さあ、直角三角形が現れてきました。図4に示した角度をθとすると、mgのy軸方向の成分はmgcosθ、x軸方向の成分がmgsinθと表せます。
●図4
ゲームにも三角比、三角関数が使われている
物理を勉強したことがないと一見難しく感じるかもしれませんが、ゲームでキャラクターにジャンプさせたりするときの動きも、こうやって三角比を使って力の成分を計算して、表現しているのです。
2021年6月、セガはその公式Twitterで「サインコサインタンジェント、虚数i……いつ使うんだと思ったあなた。じつは数学は、ゲーム業界を根から支える重要な役割を担っているんです」とツイートし、社内勉強会用の数学資料を公開しました。それはこうしたゲームのプログラミングに三角比や三角関数が使われているからなのです。
いずれにしても図3のイメージがあれば、三角比がさまざまなことに応用できるようになります。
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