物事の本質は「2次関数」学ぶと理解が早くなる訳 私立文系はとくに知ってほしい「数学」の重要性

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数学を学ぶ意味について解説します(写真:muuraa/PIXTA)
巨大IT企業がリードするグローバル社会において、数学はその産業の基盤となり、いまや欠くことのできない教養となっています。
「育ってきた環境・文化・常識が違う人が世界中から集まる場においては、数字を根拠に物事の全体像を俯瞰して判断し、数字や数式を使って情報を正確かつ具体的に伝えなければ、話を真剣に聞いてもらうことはできない」と語るのが、東京大学、JAXA出身で数学オリンピック出場経験もある永野数学塾塾長の永野裕之氏です。
新著『教養としての「数学Ⅰ・A」』を上梓した永野氏が、数学を学ぶ意味について解説します。

日本の国力低下の原因は数学離れ?

2021年度の入試から、私大文系の雄である早稲田大学の政治経済学部が「数学Ⅰ・数学A」を「国語」、「外国語」と共に必須科目にしました。“早稲田の政経”に入りたい受験生はもれなく、大学入学共通テスト(旧センター試験)で「数学Ⅰ・数学A」を受験する必要があります。

1980年代の後半に、「受験生を多面的に評価し、選抜方法や基準の多様化、多元化を図る」という名目で“入試改革”が行われ、私立大学の多くが「少科目入試」を導入しました。その結果、数学を入試の必須科目とする文系の私大が減り、数学を避けるために私立文系を選ぶという高校生が一挙に増えました。

スイスの国際経営開発研究所(IMD)が毎年発表している「世界競争力ランキング」によると、日本は調査が始まった1989年には堂々の1位でした。しかし2020年には過去最低の34位にまで順位を下げています(2021年は31位)。

(外部配信先では図や画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

日本の競争力の衰退と、学校でほとんど数学を学ばなかった(学んだとしても真剣味に欠けた)学生が社会に出た時期とがほぼ軌を一にしているのは単なる偶然でしょうか。

日本の国力の低下は、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ナノテクノロジー、自動運転といった技術革新がさまざまな場面にイノベーションを起こしている「第4次産業革命」に乗り遅れてしまったことが最大の原因であるといわれています。

実際、市場を席巻しているアメリカ巨大IT企業のGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック[現メタ]、アップル)に、現時点で日本企業はまったくといっていいほど太刀打ちできていません。

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