なぜ売れっ子芸能人は会社を作るのか? 島田紳助が長者番付に載らなかったワケ

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100万円というと、所得税も住民税も課税最低限以下、ということになります。つまり、所得税も住民税もかからない、ということです。それが5人ともです。

つまり、会社を作れば、100万円かかるはずの税金がゼロになるということなのです。

サラリーマンでも、会社を作っての節税は可能!

まあ、現実にはそう単純ではないのですが、簡単にいえば、こういう仕組みなのです。似たようなことをしている「会社経営者」は日本にはゴマンといます。

個人事業者でも(会社を作らなくても)、所得を分散することはできなくはありません。

しかし、それにはさまざまなハードルがあります。青色申告をしなければならないし、家族はしっかり働いているという記録がなければなりません。

会社を作ったほうが、スムーズに所得分散ができます。会社であれば、ほとんど働いていない家族に、給料を払うことだってできるのです。

「芸能人が会社を作る理由」「会社を作れば税金が安くなるという意味」は、ここにあるのです。

またこの会社を作ることでの節税は、サラリーマンでもできないことはありません。会社内で、別会社を作るのです。つまり、大手芸能事務所に所属していながら、会社を作っている芸能人のようなものです。サラリーマンがこれを行うには、「ひとつの業務を完全に任せられること」など、若干、条件がつきます。しかし、できないことでは決してないのです。

 

大村 大次郎 元国税調査官

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おおむら おおじろう / Ojiro Omura

国税局に10年間、主に法人税担当調査官として勤務。退職後、ビジネス関連を中心としたフリーライターとなる。単行本執筆、雑誌寄稿、ラジオ出演、『マルサ!!』(フジテレビ)や『ナサケの女』(テレビ朝日)の監修等で活躍している。ベストセラーとなった『あらゆる領収書は経費で落とせる』をはじめ、税金・会計関連の著書多数。一方、学生のころよりお金や経済の歴史を研究し、別のペンネームでこれまでに30冊を超える著作を発表している。『お金の流れでわかる世界の歴史』は「大村大次郎」の名前で刊行する初めての歴史関連書である。近著に『税務署対策 最強の教科書』『「土地と財産」で読み解く日本史』。

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