なぜ売れっ子芸能人は会社を作るのか? 島田紳助が長者番付に載らなかったワケ

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では、芸能人は、どういう性格の会社を作っているのかというと、わかりやすく言えば、「ギャラの受け取り会社」です。芸能人が受け取るギャラを管理するのが主な目的といえるのです。

だから、芸能人の作っている会社は、事実上、ギャラの管理しかしていない、というような場合も非常に多いのです。

ギャラの管理だけをしていても、会社は会社です。役員や従業員を雇うこともできます。家族を役員や従業員にしておけば、自分のギャラがそれだけ分散されるわけです。

ただし、芸能人の場合、「本当に独立して会社を作る」ということもあります。爆笑問題や、真鍋かをりさんなどの場合がそうですね。

これは、所属事務所との契約を打ち切って、まったく自分で独立した会社を作る、ということであり、マネジメントなどもすべて自分の会社でやるということです。このケースは、本記事の趣旨とは、若干、違ってくるので、深くは取り上げません。

ここで言いたいのは、島田紳助さんのように、大手の芸能事務所に所属していながら、自分で会社を作って節税をしている人たちがいるということです。

芸能人節税のスキームはこうなっている

では、芸能人が会社を作ったときの節税スキームを、簡単にご説明しましょう。

芸能人が、所属事務所などから直接、ギャラをもらえば、そのギャラにはそのまま所得税、住民税がかかります。

しかし、会社を作って、そのギャラをいったん会社の収入として受け取り、自分は会社から給料をもらうという形にすれば、かなりの節税になるのです。会社では、さまざまな経費を計上できます。

交際費、福利厚生費などをうまく使えば、生活費の大半を会社の経費で落とすこともできます。その経費を差し引いた残りを給料としてもらうのです。税金は、その給料分にしかかかりません。

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