「知床遊覧船」社長会見に強烈な怒りが募った訳 ずさんな姿勢が露呈、10秒の土下座も意味なし
この受け答えに引っかかった記者から「“結果的には”という言葉をよく使っているが、事故が起きていなければこのやり方は間違っていなかったという認識か」と問い詰められると、「すみません。言葉尻がまずかったと思います」と訂正しましたが、時すでに遅し。「結果だけに目を向け、その原因に向き合おうとしない」という姿勢を自らさらしてしまったのです。
「結果ばかりに目を向けている」という意味では、「何度も土下座をしていたけど、本当の意味で反省できていない」と思われてしまっても仕方がないでしょう。
「守るべき最低限のルール」の発言撤回
運営や管理のずさんさを物語るコメントはまだまだありました。
安全管理規定について尋ねられた桂田社長は、「波が1m以上で欠航、風速8m以上で欠航、視界が300m以上ないと出航できない」と発言したものの、会見の途中で「さっき話した1m、8m、300mというのは安全管理規定には書いてありません」と全面撤回。さらに資料をペラペラとめくりながら、「もうちょっとあいまいな表現になって、数字が出ていないんですね。安全管理規定には数値は出ていないです」と続けたのです。
ただ、国土交通省は「安全管理規定の中に具体的な数値を書かないと受け付けられない」という報道もあるなど真偽は不明。いずれにしても、桂田社長が安全管理規定を把握していないことが露呈されました。もともと安全管理規定は守らなければいけない“最低限のルール”という位置づけのものであり、これ以上に安全に配慮するのが通常の運営でしょう。
その他、無線アンテナが壊れていたこと、他社の無線が通じるかの確認をしていなかったこと、衛星電話も故障中であり、それ以前に積んでいたかどうかも確認していなかったことなど、次々に問題点が指摘されていきました。
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