今ある材料でパパッと一品作れる人
冷蔵庫をやめたら「今ここにあるもの」でなんとか日々の食事を賄わざるをえなくなり、結果、イヤも応もなくフードロスと無縁の暮らしとなった、つまりは食費を無駄にすることが一切なくなった顛末を、2度にわたって書かせていただいた。
で、改めてこれを別の角度から見るとですね、私はいつの間にか、いわゆる「冷蔵庫にあるものでパパッと一品作れる」人になったということである。
ア、無論わが家に冷蔵庫はないわけですが、ここでいう「冷蔵庫」とは単なる比喩でありまして、冷蔵庫の中にあろうが外にあろうが、今ある材料でパパッと一品作れる人。そんな人に私はなったことには違いない。
ってことに気づき、わたしゃ思わずジーンとなったね……。
だってそれこそは、私が長年憧れ続けていた「料理上手」の究極の姿ではないか!
小さい頃から料理が好きだった。ま、要するに食い意地が張っていたのだ。自らの手で「世界のゴチソウ」を作れることが楽しく誇らしく、次々とレシピ本を手に入れては果敢に挑戦した。あら私、なんでもできる! パエリアだって手作り水餃子だって自分で作れちゃう! と鼻高々であった。
でもそんな私にも、どうしても作れないものがあったのだ。
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