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トヨタ祖業・豊田自動織機に「非上場化案」浮上、トヨタやグループ各社が出資検討、株式市場が迫る資本再編

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トヨタグループの祖である豊田佐吉が1926年に設立した豊田自動織機。佐吉の息子である喜一郎が1933年、同社内に立ち上げた「自動車部」が後のトヨタ自動車になった(写真:尾形文繁)
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トヨタ自動車の源流企業である豊田自動織機(豊田織機)が株式の非公開化を検討していることが明らかになった。

トヨタに加えてデンソーなどグループ会社が出資する特別目的会社(SPC)がTOB(株式公開買い付け)する案が有力視されているという。買収には金融機関などの融資も活用するもようだ。

ニュースが流れたのは4月25日、金曜日の夜だった。まず、海外通信社が「トヨタ創業家が豊田織に買収・非公開化提案」と伝えると、その後に多くのメディアが「トヨタを中心にしたグループによる豊田織機の買収・非公開化提案」と報じた。

翌26日の10時半にトヨタが「一部報道機関において、株式会社豊田自動織機の非公開化について当社が出資を検討しているとの報道がありましたが、当社が一部出資することも含め、現在様々な可能性を検討しており、(中略)現時点で決定した事実はありません。 今後、当社として開示すべき事項が生じた場合には、速やかに開示いたします」とコメントを発表。

同日16時半には豊田織機が「一部報道において、トヨタグループや創業家による買収提案などに関する報道がありましたが、現時点でそのような事実はなく、いずれも当社から公表したものではございません。 当社は、資本効率の向上や特別目的会社を通じた非公開化などの様々な提案を受けているなか、企業価値向上のため、あらゆる可能性を検討しておりますが、現時点で何ら決定された事項はございません」とコメントを開示した。

週明けの株価はストップ高に

週明けの4月28日、豊田織機の株価はストップ高水準である前営業日比3000円高の1万6255円で比例配分された。TOBによるプレミアムを期待する思惑買いが広がった。

ただ、豊田織機の時価総額はTOBのニュースが出る直前で4兆円超、足元では5兆円を超えた。プレミアムを勘案すると買収には単純計算で6兆円程度、グループで保有する4割超の株式を除外しても3兆円超が必要になる。

トヨタの信用力があれば資金調達そのものに問題はなくても、特に買収側は資金の使い道として株主の理解を得られるかわからない。非公開化案が実現するかはまだ不透明だ。

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