「あるものでパパッと」料理が作れる超簡単な方法 レシピ本に頼らず、ずらりと食卓に並べるコツ

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まとめますと、

①余っている食材を見つける

②生で食べるか、焼いて食べるか、煮て食べるかを決めて実行

③余っている調味料を入れ味見して完成

この簡単スリーステップで、そう今日からあなたも「あるものでなんでもパパッと」作れる人になるのですよ!

レシピに縛られず買い物する自由

このようなことができるようになると、何も見ずともその日にたまたまあった食材と調味料で無限大の料理ができるので、献立に悩むこともなくなる。のびのびとなんでもお気の向くまま。

でもあえて言うなら、私のオススメは「生」「焼く」「煮る」の3つの調理法で作ったものを食卓に並べること。食感や温度にバリエーションができるのでバランスがいいし、何より、なにかをコトコト煮ている間に、生のものと焼くものを作ればいいので調理の手順もぶつからずラクである。

私はこういうことができるようになってからというもの、買い物に行く時はいつも「フリーハンド」となった。今日何を作るか決めずにふらりと出かけ、店先で食材を見て献立を決めるのである。

お、今日はキャベツが安い! とか、見たことない珍しい野菜が「お試し価格」の30円! とか、見切り品コーナーに50円の大根が! とか、それを見ればたちまち献立が決まるので迷いなく手を伸ばす。自分で言うのもえらくかっこよくないですか? それに、レシピに縛られずにその時々でお買い得なものを自由に買うので、食材費もどんどん減り続けることになる。

さらによく考えると、「お買い得なもの」ってだいたいが旬のものなんですよね。今の時期なら春キャベツや新玉ねぎなどが安くてピチピチしている。旬のものを食べるのは体にもいいわけで、いいことしかない。

こういうことができるようになると、買い物に行くのが実に楽しくなること請け合いである。食材を書いたメモなんて持たなくていいし、何かを買い忘れてないかと神経質になる必要もない。ただ四季折々に店先に並ぶ自然の恵みを実感し、それをありがたくいただけることに感謝する時間。まるでいそいそと「お花見」に出かけるような感じである。それは、生きてこのような料理をしている限り永久に保障された人生の楽しみだ。その上財布にも健康にも優しいとなれば、なんだか申し訳ないくらいである。

ってことで、冷蔵庫があろうがなかろうが、この「あるもので料理する」ことは誠にお勧めである。男女問わず、年齢問わず、誰だってできる。いやほんと、人生変わるかもしれませんぜ。騙されたと思って是非。もし騙されたとしても、これならきっと家庭争議にはならない(たぶん)からホント、騙されたと思って是非!

稲垣 えみ子 フリーランサー

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いながき えみこ / Emiko Inagaki

1965年生まれ。一橋大を卒業後、朝日新聞社に入社し、大阪社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員、編集委員をつとめる。東日本大震災を機に始めた超節電生活などを綴ったアフロヘアーの写真入りコラムが注目を集め、「報道ステーション」「情熱大陸」などのテレビ番組に出演するが、2016年に50歳で退社。以後は築50年のワンルームマンションで、夫なし・冷蔵庫なし・定職なしの「楽しく閉じていく人生」を追求中。著書に『魂の退社』『人生はどこでもドア』(以上、東洋経済新報社)「もうレシピ本はいらない」(マガジンハウス)など。

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