目標を決める組織と決めない組織に出る4つの差 「目標の設定」とは「目的の切り分け」である

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目標設定はなぜ重要なのでしょうか?(写真:takeuchi masato/PIXTA)
未来の予測が難しくなるVUCA時代には、これまでの延長や過去の成功体験で仕事をしていても、成果を出すことが難しくなっています。成果創出のためには、従来のやり方にとらわれず、その仕事を“何のために”やるのか、つまり「目的」から考えることができる能力が必要です。目的が疎かだと、具体的に何を目指して(=目標)、何をすればいいか(=手段)がわからなくなり、望む成果につながらないのです。
しかし、その重要性に反して、目的の役割や設定の仕方がわからないという人は少なくありません。『目的ドリブンの思考法』を一部抜粋し再構成のうえ、戦略コンサルタントである著者が、成果創出のための思考の「型」をお教えします。

成果創出を左右する「目標」の4つの効能

「目的」と「目標」はしばしば混同して使われる。こうした言葉遣いの混乱は、意思決定の混乱にもつながりかねない。そこで、改めて両者の違いを明らかにしておこう。

端的にいって、目的が“到達点”であるのに対し、目標は“中継地点(マイルストーン)”を意味する。目的とは「新たな価値を実現するために目指す未来の到達点」だということを思い出すと、目標はそこへたどり着くために通過しなければならない〝途中の目印〞と位置づけられる。

(画像)『目的ドリブンの思考法』

では、なぜ目標を設定することが必要なのだろうか?

それは、目標が組織やチームの実行力とモチベーションを左右するきわめて重要な要因だからだ。具体的には、目標は組織やチームに対して次の4つの効能を与える。

①抽象度の高い目的を実務に落とし込める
②有効な対応策を体系的に洗い出せる
③リソースの無駄遣いがなくなる
④達成と成長が実感できモチベーションが高まる
次ページ目的は目指したい将来像を示したもの
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