目標を決める組織と決めない組織に出る4つの差 「目標の設定」とは「目的の切り分け」である

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(画像)『目的ドリブンの思考法』

1つめは、目的と目標の違いを思い出せば理解がしやすい。目的は目指したい将来像を示したものだが、その反面どうしても手触りのない抽象的なものになりがちだ。「事業の筋肉質化を実現する」と目的を掲げても、実際に実務としてどう動けばいいか、そのHowの部分を目的は直接示してはくれない。

しかし、例えばその目的に「低収益製品を3年以内に廃止する」といった具体的な目標を伴わせれば、目的は現実での動き方のイメージを伴って実務に落ちてくる。ビジョナリーな世界で描いていた目的が、目標の設定によってリアルな実務に落ちてくるというわけだ。

目標が必要な理由ほか3つは?

2つめは、目標とその達成に必要な対応策の関係を示している。目標があれば、それをターゲットとして打ち手の洗い出しを体系的に行うことができる。抜け漏れを防ぎながら、目標の達成に有効な策を考えやすくなるということだ。もし目標がなければ、施策の打ち方は散発的なものになってしまう。そのやり方では有効な施策を見落とすこともあるし、そもそも施策自体が有効かどうかの判定もできなくなるだろう。

3つめは、目標があればそれを目印として、組織のリソース、いわゆるヒト・モノ・カネを集中できるようになるということだ。例えば「欧州における販売拠点数を3倍に増やす」という目標を設定したなら、欧州に営業人員を集中投入して販路開拓を行わせる、という判断ができるようになる。逆に、明確な目標がなければリソース配分はその目印を失って、総花的なばらまき政策に陥ってしまう。

最後に4つめは、目標はチームをモチベートし、成長を促すということだ。目標という中継地点を置きそれを達成していくことで、チームは仕事の成果や成長をそのつど実感できる。これから1年がかりの仕事を任せると言われると少し気も遠くなるが、1カ月おきに目標を刻むことで、それに取りかかるチームのモチベーションはずいぶんと変わるだろう。

リアルな実務の遂行、的確な打ち手の策定、最適なリソースの配分、チームの士気向上─これらはいずれも仕事の成果創出に欠かせない。そしてこれらの条件が満たせるかどうかは、適切な目標が設定されているかどうかにかかっている。目標を設定すべき必然性は、ここにある。

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