日銀には「21世紀型の金融政策モデル」が必要だ 世界中の中央銀行の金融政策は今や「時代遅れ」

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競馬である。

そもそも、競馬とは何か。「金融政策とは何か」を語るよりもはるかに難しい。

前回の本連載の記事「これまでとまったく違うヤバい円安が起きている」の後半の競馬コーナーに書いた筆者の見方について、ある馬券師が反論を挑んできた。

その趣旨は「3連単、3連複で何が悪い。馬券が売れてこそ競馬であり、JRAが世界一の売り上げだからこそ、日本の競走馬のレベルが世界最高峰になっているのだ」、と主張してきた。

競馬とは「血を残す唯一のスポーツ」

しかし、彼よりも私が正しい。なぜなら彼は馬券師であり、「馬券とは何か」を主張しているからであり、私は「競馬とは何か」を主張しているからである。

競馬とは、ギャンブルでもなく、収益を最大化するビジネスでもない。それは、血を残すという唯一のスポーツなのである。人間で良血を残そうというのはタブーであるが、ペットショップでは行われている。

これをシステマティックに、壮大かつ営々と続く営みとして行っており、かつそれが直接の人間の本能的な利益のためではなく行われているのは、競馬だけである。

もともとドイツや日本などでは、戦争用の軍馬養成から始まったが、それは戦争という本能の戦いのためであり世界的なサラブレッド育成とはまったく異なる。人工受精が認められている(サラブレッドはもちろん認められていない)牛の生産も、人間の食のためであり、農作物の遺伝子組み換えもそうである。

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