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日銀には「21世紀型の金融政策モデル」が必要だ 世界中の中央銀行の金融政策は今や「時代遅れ」

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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この結果、中央銀行の政策行動も変わる。

第1に、通貨価値の安定とは、為替レートの安定である。したがって、国際為替レートの安定が直接的な目標になる。

第2に、直接的なターゲットは景気動向ではなく、金融市場(リスク資産市場)の動向になる。景気は、金融機関および金融市場の健全性を保つことで安定化されることになる。

新行動モデルは理論も一貫、高い実効性も期待できる

もう少し説明しよう。

上述の中央銀行の新しい行動モデルは、現在の中央銀行の掟からすると、大きく外れるように見えるが、通貨価値の安定という中央銀行の機能の原点に帰れば、むしろ整合的であり、現在の中央銀行の行動様式のほうが、派生的な機能を中心に据えている変種的なものといえる。

さらに、理論的にも、より論理的な一貫性があり、明快である。なぜなら、中央銀行が直接コントロールできるのは、金融市場である。物価や景気という財市場に対しては、中央銀行は間接的な影響しか持つことはできない。したがって、直接コントロールできる市場を直接の目標とすることのほうが、論理的整合性が高く、また実効性も高い。

これまで、金融政策が景気刺激策として使われてきたのは、金利を低下させることにより、投資や消費を促すことによってである。

しかし、現在の経済構造においては、金利の変動は、財市場での企業や家計の行動と同時に、金融市場における投資家の行動を大きく変動させる。むしろ、投資家および投機家の行動をより大きくかつ即座に変えることになる。

その結果、金利変動による企業の投資行動よりも、金融市場における金融投資行動の影響のほうが、実体経済においてすら大きくなってしまっている。消費者は金利低下による借金を通じた住宅投資や消費よりも、資産市場のキャピタルゲインや含み益による消費拡大のほうが大きい。

そして、何より、金融市場は財市場よりもグローバルに密接につながっているから、金融市場が発達し、金融資産が豊富な国の金融投資行動が、新興国の資産市場を通じて新興国の実体経済に大きな影響を与え、その混乱は世界的に大きな波及効果を持つ。

この結果、実体経済の景気変動を安定化するという点においても、先進国の金融市場における健全性(および安定性)が重要である。これが実物財市場よりも金融市場をコントロールのターゲットとすることが健全な経済発展につながる第1の理由である。

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