競馬である。
3月26日に行われたドバイワールドカップでは、日本馬がなんと5勝。ドバイを、いや世界の競馬界を席巻した。
素晴らしい日本馬達だが、このくらいは当然で、いまや世界で圧倒的に優れた血統の馬は日本馬である。しかし、大きな問題が残っている。それは、JRA競争におけるレースの在り方だ。
多頭数でのぬるい競馬が日本をダメにする
甘いのである。これを根本的に変える必要がある。すべてのレースがタフで、馬に全力を絞り出すようなものになることが必要だ。これは前回の記事にも書いた通りだ。
具体的に日本の競馬を甘くしている要因の1つを挙げると、異常な多頭数の競馬であることで、先週の高松宮記念もそれが大穴を生み出した。これは、実際、JRAの思惑通りで、馬券の売り上げに大きく貢献している。馬券を買う人々は穴を買いたいから、頭数が増えれば必ず売り上げは増える。穴の可能性も出てくる。逆に言えば、頭数が減れば、レースは素晴らしくなるが、馬券の売り上げは必ず減る。レース後の感動は残るが、利益は残らないということだ。
さらに、JRA(日本中央競馬会)は、単勝ではなく、馬連、3連単の馬券が多く売れれば、より儲かる。強欲と後悔の回避から、駄目なギャンブラーたち(真のギャンブラーではないひとたち)は、買い目を増やす。そうなると馬券の売り上げは結果的に増える。よって、馬券予想でも2着、3着が重要になる。
とりわけ、3着に穴馬が来て、3連単で高配当をひっかけるという買い方が主流になり、馬券予想を職業とするプロたちの予想も、勝ち馬を当てるのではなく、3着にひっかかる大穴の馬を予想することが主流になり、スポーツとしての競馬の予想から程遠くなっていく。
こうして、日本の馬達は、潜在力は世界一でも、日本国内のレースにおいては、最後の直線だけ本気で走り、それまではジョギングをする、甘いレース、つまり、二流の競馬、全力を出さない競馬を行うことになるのだ。
この結果、優れた競走馬を残すための選抜をする、という競馬最大の使命が危うくなる。
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