結論から言うと、今回の「第3回目の緊急事態宣言」は、おそらくほとんど効果がないだろう。
その理由は3つある。
日本の緊急事態宣言はもともと効果がほとんどない
第1に、3度目であること。うんざりしている。飽きている。よく「コロナ疲れ」「自粛疲れ」と言われるが、より人々の感情に近い表現は「うんざり」か「飽きている」ということだろう。
第2に、発出した理由が不明瞭である。大阪が危機的なのはわかるが、東京は、感染者数、病床ひっ迫度合いからいっても大阪ほどではない。「蔓延防止措置」というのをつくって、まさにそれがぴったりなのに、そしてそれが発出されて、その効果がまだまったくわからないうちに、緊急事態宣言だ。
2度目はなかなか出さなかったのに、しかも、2度目の緊急事態宣言解除は、感染者数が増えてきたところで解除。要は「出したくないのだ、政府は」と思われていたのに、なぜか今回は唐突に出した。納得感がなければ、政府の要請やお願いには、誰も応じないだろう。
第3に、緊急事態宣言はもともと効果がほとんどないからだ。実は、1度目も2度目もほとんどなかったのだ。だから、今回はなおさら効果がないに決まっている。
この3つを、一つひとつ言い換えてわかりやすくしてみよう。
第1点。まず若い世代は、緊急事態宣言無視だ。そもそもテレビを見ない、持っていない。だから、テレビで大臣がわめこうが、知事が国を罵ろうが、そもそもそれを知らない。
政治家たちのアリバイ作りのパフォーマンスはそもそも認識すらされていない。彼らにとっては、1回目の緊急事態宣言のときは、コロナ危機への異常な自粛、という目新しいイベント。初めてハロウィンに参加するような気分だ。
だから、1回イベントを消費すれば、次は目新しいイベントではないから、まったく関心の対象に入らない。だから、支持とか不支持とか従わないとかではなく、関心の外にある。「緊急事態宣言? で、何か?」という感じだ。
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