一方、中年世代はどうか。テレビをつけると、官邸と知事の非難合戦、罪の擦り付け合い、まさにうんざりだ。アリバイ作りよりも、テレビに出る暇があったら、病院を説得してくれ。2度目からは、もううんざりで今回はあきれ果てているから、これもテレビは見てはいるが、馬耳東風だ。政治家の叫びは趣味の悪いBGMにしか聞こえない。
そして、高齢者は、ただ怯えているだけだ。テレビでコロナの話が出れば出るほど、それがどんな話であれ、恐怖がさらに刺激されるだけ。金持ち高齢者はさらに家に引きこもり、巣ごもり消費に慣れていないから、ただ、怯えて貝になっているだけだ。
もはや「政治的資本」がマイナス状態に
第2の点。緊急事態宣言を出せば出すほど、政治不信は強まる。第1弾の接触8割削減の主張や「ロンドン、ニューヨークの次は東京だ」という脅しを続けた「自称(他称)専門家」により、専門家不信は確定した。科学的根拠無視で、感情で情緒的に行動することが「専門家は信用できない」ということの裏づけに正当化されることになった。
この結果、いい政策だろうが、悪い政策だろうが、人々を政策でコントロールするのは不可能になる。
政治家の言葉においては、効果は完全にゼロである。むしろ、しゃべればしゃべるほどマイナスで、へそを曲げて政府のしてほしい行動の逆をしたくなる。
この結果、人気取り、八方美人、世論調査支持率だけが頼りの政治家たちは、無駄な、余計な、愛想、ばら撒きを国民に行い、強い、妥当な指示を国民にまったく出せなくなる。
びくびくしながら、中途半端なお願いを続ける。中途半端だから効果はほとんどなく、本当は、自分たちがへそを曲げてわがままだったことが理由であるにもかかわらず、感染拡大の理由をすべて政府の下手な政策のせいにすることが常態化し、素人も専門家も、メディアに習って、政府をひたすら攻撃することになる。
いわゆるポリティカルキャピタル(政治的資本)を緊急事態宣言第2弾で完全に失い、いまやすべての政府の措置は、ポリティカルキャピタルを毀損するどころか、もはや「マイナスのキャピタル」状態で、債務が増加、蓄積する一方になっている。
細かいところを見ても、もう収拾がつかないレベルだ。なぜか百貨店などの商業施設は休業を要請される。百貨店でクラスターが発生した例も聞かないし、ロジックもわからない。問われた田村憲久厚生労働大臣は、百貨店に来るときに人流ができてしまうのが問題だ。だから、百貨店自体は問題がなくても、人の流れを抑えるために、休業をお願いする、と。なんだそりゃ。百貨店は訴訟を起こすべきだと思うが、一事が万事、こういった風である。これでは説得力がない。
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