働くママの評価制度は成果主義でいこう 勤務時間で測られたら、堪らない

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田中:そういうとき、「働くママの子は可哀想なんかじゃないよ」と誰かに言ってもらえると、すごく楽になる。みんな女性であれば、誰でもお母さんになれると思っているけれど、もちろんお母さんだって、少しずつお母さんになっていくわけですよ。新人はみんな仕事ができないのと同じように、お母さんも1年、2年たって母親業が板についてくるわけなので、1年めはみんな初めての経験をする。たとえば2歳ごろの、なんでもかんでもイヤっていう「イヤイヤ期」と、職場復帰が重なると、もうどうしたらいいかわからない。

田中:でも先輩ママからの「魔の2歳児だけど大丈夫、次は悪魔の3歳だから!」という言葉があれば、笑い飛ばせる。少子化になると育児の経験を持つ人も少ないので、そういう経験もみんなで会話を通して築いていければいい。

ちなみにちょっと宣伝させてもらうと、近々、そういう言葉を集めた『リーママたちへ 働くママを元気にする30のコトバ』(博報堂リーママプロジェクト著 角川書店)という本が出ます。そうやって子育てがちゃんと自分の生活の土台として根付いたうえで、そこに初めてキャリアというものが乗っかってくる。自立した社会人、自立した女性として、自分が企業に何を還元できるのか。社会にどんな成果を残していけるのか。それを自分で決めて発信していこうよ、と言える。たぶんそういう2段階があって、そうこうしているうちにだんだん子供も育っていく。その先に昇進があるんじゃないかな。

塩野:なるほど。

子育ては投資行為でもある

田中:いまの日本社会では子育てが母親ひとりの肩に乗っているけれど、本来、子育ては社会への投資行為でもありますよね。日本を持続可能な国にするための行為なんだというビジョンが抜けてしまっています。

塩野:確かに。いまのままでは日本の年金制度は破綻しますからね。子供達は未来の納税者なので、社会全体で育てる意識が必要だと思います。最後に一言、会社の偉いおじさんたちに、なんでも好きなことを言ってください。

田中:言っちゃっていいかな……。一度、専業主婦経験してみたらいいと思います。1カ月くらい、専業主婦の家庭に留学してみてください。どれだけ体力を使っていて、家事育児がどれだけ作業としてあるかを体験してみてほしい。できれば冬、子だくさんの家に留学してみてほしいですね。学童保育の終わる6時にはまっくら。そこで小学校2年生の女の子がひとりで帰ってくるのを待ってみてください。もしくはその子をひとりでお留守番させてみてください。その子はあなたが守るんです。アンド、その家の赤ちゃんのオムツ替えもしてみて欲しいです。

塩野:(絶句)われわれおじさん達にいいメッセージをいただきました。ありがとうございました。

(構成:長山清子、撮影:尾形文繁)

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