「転勤廃止」の浸透で陰湿リストラが復活する謎 「追い出し部屋」の復活、事業所閉鎖の増加も

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日本では「さらば転勤」の流れが加速している(写真:umaruchan4678/PIXTA)

いま、大手企業で社員の転勤をなくそうとする動きが広がっています。NTT、富士通、JTBなどが、社員が望まない転勤の廃止に向けて動いています(以下、「転勤廃止」は望まない転勤の廃止を意味することとします)。

転勤は、社員や家族の結婚・妊娠・出産・子育て・教育といったライフプランの設計や家族形成を困難にします。とくに共働き世帯での単身赴任は、家族を破壊してしまうことがあります。転勤廃止で、社員と家族が豊かな生活を送れるようになるでしょう。

企業にとっても、転勤廃止で社員のモチベーションが上がれば、大いにプラスです。2019年という早い時期に転勤廃止を打ち出したAIG損害保険では、その後、新卒採用の応募者が約10倍に増えました。人材確保のためにも、転勤廃止が必要になっています。

転勤廃止に死角はないのか

メディアやネット上でも、転勤廃止の動きは好意的に受け止められ、一層の進展を期待する報道やコメントが大勢です。しかし、何事にも表があれば裏があるもの。転勤廃止に死角はないのでしょうか。

今回、大手企業の人事部門責任者・マネジャー34名に転勤廃止についてヒアリングしました。転勤廃止の検討状況と課題について考えてみましょう。

まず、「貴社での転勤廃止の検討状況を教えてください」と質問しました。回答は以下のとおりでした。

「廃止・大幅縮小を決定済み」 3社

「縮小の方向で決定済み」 2社

「廃止・縮小をしないと決定済み」 0社

「検討中」12社

「検討していない」17社

34社中5社が「廃止・大幅縮小を決定済み」「縮小の方向で決定済み」であることを多いと見るか少ないと見るか、微妙なところです。ただ、回答の半数が転勤廃止を検討しているということは、経営の重要テーマになっていると言えそうです。

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