経済危機で低迷のODA 国際連帯税導入が急務に--国連事務総長特別顧問、UNITAID理事長 フィリップ・ドスト=ブラジ

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経済危機で低迷のODA 国際連帯税導入が急務に--国連事務総長特別顧問、UNITAID理事長 フィリップ・ドスト=ブラジ

リーマンショック後、先進各国によるODA(政府開発援助)は低迷し、発展途上国向け支援も縮小した。途上国では約20万~40万人の子どもが、その直接的な結果として命を落とした、との試算もある。

そこで注目されているのが、ODAよりも中期的な援助支援プログラムに向く「国際連帯税」だ。

フランスの外務大臣時代に、同国で国際連帯税の導入を推し進め、今も国連事務総長特別顧問、UNITAID(国際医薬品購入ファシリティ)理事長として、その世界的な導入を目指す、フィリップ・ドスト=ブラジ氏に話を聞いた。

──そもそも、国際連帯税を導入する意義はどこにあるのですか。

今、世界では二つの矛盾する現象が起きている。一つは約15億人にも上る人たちが、1日1ドル以下で暮らしているということだ。彼らは社会福祉、飲料水、食料、衛生、保健、医療、教育といった基本的人権にアクセスできない状況にある。

二つ目は経済危機により、各国から途上国援助に回るおカネが急減したこと。早急に彼らを支援するための資金を見つける必要がある。

その役目を担うのが、国際連帯税だ。05年にフランスが導入した、国際線の航空券に1ドル(約80円)を足す航空券税は、国際連帯税の一環といえる。国にとっては財布が痛まず、負担する個人にとっても1ドルなので、非常に払いやすい。

--般の人は、そうした目的のためにODAがあるはずだと思うのではないでしょうか。ODAと国際連帯税はどこが異なるのですか。

ODAは毎年、各国議会の承認を得て決まるため、翌年また更新されるとは限らない。3~5年かけて行われる一般的な援助支援プログラムにはなかなか合わない。が、国際連帯税の仕組みを使えば、継続的に、予測できる形で、安定した資金が創出できる。これは特に、プロジェクトやプログラムが長期にわたる、医療や教育の分野では重要なことだ。

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