就活で「伝わるES」「伝わらないES」その意外な境目 バイトやサークル経験を重視する大学生の盲点

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

角田:設楽さんはやっぱりそれをめざとく見つけて、話している間ずっと僕のその仕草を真似してたんだけど、それで結果として面白い会話になったことがあったんです。

そんなこともあって、その場を面白くしてくれるのは、むしろ「聞いている」ほうだという感覚が少しあるから、僕としては「一生懸命喋る」ことしかやってない。

同じように、文章でも基本的には「一生懸命伝える」ことしかやっていないよね。「綺麗に」とか「格好良く」みたいなことは考えず、読む相手にどれだけ誠意が伝わるか、しか考えていないな。

「言葉の選び方」は人それぞれ

加藤:いま、角田くんが「一生懸命喋る」と言ったけれど、その時に身ぶりや勢いが出るのは結果であって、本当は「一生懸命言葉を選んでいるだけ」なわけだよね。それが話や文章の個性でもあると思うんだけど、角田くんはどうやって「言葉を選んで」いるの?

角田:僕の場合は、「布団がふっとんだ」みたいな要はオヤジギャグ、言い換えると「同音異義語」を文章でも自然と多用しています。

例えば、音だけで「シコウのシコウのシコウ」と聞いただけでは、どの「シコウ」かわからないよね。でも漢字で「思考の指向の施行」みたいに書くと、「考える」「差し向ける」「実際にやる」という行動の連なりが「同じ音」を重ねて表現できて面白いから、よく文章に取り入れているな。

加藤:そういうのを書く時に、書き直しとか言葉の入れ替えみたいことはやるの?

角田:今まで「書く」と言っていたけれど、厳密に言うと「キーボードで打つ」だよね。そうすると、変換の時に同音異義語の漢字が一覧で出てくるから「あ、この漢字のパターンがあるな」とわかるわけだよ。

「そうぞう」と打って変換すると「想像」と「創造」が出てくるけれど、「イマジネーション(想像)」と「クリエイション(創造)」が同じ音だって、日本語って面白いなと思うんです。そこから「想像の創造」みたいに書けるわけだよね。

だから、キーボードを打つことで同音異義語が出てくるのが、ワードプロセッサーで文章を書いていて面白いと思うことだね。誤変換を「間違い」と見るのではなくて、同じ音の別の漢字が現れることで、それまで考えていたのとは違う方向にイマジネーションが働いて文章が発展していくんだ。

加藤:なるほどねぇ。加藤は類語辞典が好きなんですけど、それも角田くんの変換話と同じく、結局「Aということをああも言える、こうも言える」というのを見つけたくてやっているところがあるかも。

次ページビジネス文書としての魅力とは?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事