就活で「伝わるES」「伝わらないES」その意外な境目 バイトやサークル経験を重視する大学生の盲点

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僕はその時、話している相手、読む相手にとっては、どの単語、どのフレーズを使うと最適かな?と思って選ぶという作業をしているつもり。

「わかりやすい文章」という話になると、構文をシンプルにとか、一文を短く、みたいなことがよく言われるじゃない? それはもちろん基本としてあったうえで、「どの単語を使うと同じ文字数でもっと深く、ないしは多くのことを伝えられるかな」という視点で自分の書いた文章を見直してみると、改良点が見つかるはずじゃないかしら。

もともとの「魅力的なエントリーシートを書きたい」という質問に対しても、角田くんみたいにワードプロセッサーの誤変換でもいいし、加藤みたいに類語辞典でもいいし、普段自分が使っている言葉の中からセレクトするのでも好いんですけれど、単語の選択によって情報量を豊かにすることは可能で、それはいわゆる「文章の魅力」とは違うかもしれないけれど、「ビジネス文書としての魅力」は作れると思ってます。

ESでも「音読」は役に立つ

角田:言葉を選ぶということで付け加えるなら、文章を書くときに、「音読」はやってみたほうがいいと思う。一度声に出して読んでみると、その文章が伝わるか、伝わらないかに少し客観的になれる感じがするんだよね。

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加藤:それはそうかもね。

角田:一番良いのは誰か別の人に頼んで聞かせてもらうことだけど、頼める人がいなかったり恥ずかしかったりする場合は、最近はWordみたいなワープロアプリにも音声で読み上げてくれる機能があるからそれを使えばいい。実際、僕が小説を書いた時にもWordに読んでもらったんだ。

加藤:おお、そうなんだ。スマホとかで簡単に録音できるんだから、自分で音読してみて、自分で聞いてみるのもいいかもね。自分の声を聞くのは死ぬほど恥ずかしいけど。

角田:それはそうだよ。エントリーシートにしても、自分のいいところを相手に伝えたいなら、自分の耳で聞いてみないと、書いたものが「いいところ」を伝えられているかはわからないよね。

本連載では大学生や、若手社会人の皆さんからお悩みを募集しています。仕事、就活、受験、生き方……などなど、角田氏と加藤氏に相談したいことをお書きください。応募はこちらからお願いいたします。
角田 陽一郎 バラエティプロデューサー/文化資源学研究者

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かくた よういちろう / Yoichiro Kakuta

バラエティプロデューサー/文化資源学研究者。東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年にTBSテレビ入社。「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」「オトナの!」など主にバラエティ番組の企画制作をしながら、2009年ネット動画配信会社goomoを設立。2016年にTBSを退社。映画『げんげ』監督、音楽フェスティバル開催、アプリ制作、舞台演出など多様なメディアビジネスをプロデュース。現在、東京大学大学院博士課程にて文化資源学を研究中。著書:小説『AP』『最速で身につく世界史/日本史』『なぜ僕らはこんなにも働くのだろうか』他多数。週刊プレイボーイにて映画対談連載中、メルマガDIVERSE配信中。

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加藤 昌治 作家/広告会社勤務

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かとう・まさはる / MASAHARU KATO

作家・広告会社勤務。千葉県立千葉高等学校卒。1994年大手広告会社入社。情報環境の改善を通じてクライアントのブランド価値を高めることをミッションとし、マーケティングとマネジメントの両面から課題解決を実現する情報戦略・企画の立案、実施を担当。著書に『考具』(CCCメディアハウス)、『発想法の使い方』(日経文庫)、『チームで考える「アイデア会議」考具応用編』(CCCメディアハウス)、『アイデアはどこからやってくるのか 考具基礎編』(CCCメディアハウス)などがある。

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