就活で「伝わるES」「伝わらないES」その意外な境目 バイトやサークル経験を重視する大学生の盲点

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

だから「スケールの大きいこと」をやった経験を書いたほうがよいと思ってしまうんだけど、一方で話を聞いている側からすると、すごいことをやった人を選ぶためではなくて、志望者がどういう人なのかを知りたくてエントリーシートを読むわけだよね。だから「What」ではなくて「How」のほうに重点があるんだよね。

角田:「What」ではなくて「How」。そこで言う「How」ってどういうものになるのかな。

加藤:やっていること自体は「朝ご飯を作ります」とか「ランチを食べています」みたいな至って普通のことでいいんだけど、それを「どのようにしているのか」を語れることが重要じゃないかな。

そういう文章を読んだほうも、「そうやってご飯を食べる人だったら、仕事をするときにはこんなふうに振る舞うよな」って連想が働くと思うんだよね。

「どのようにしているか」をどう語る?

角田:今回の質問に沿うと、エントリーシートに「学生時代にやっていた活動について書きなさい」みたいな欄があったとして、そこで「朝ご飯についてこう思った」みたいなことを書くのって結構な文章力が要るよね。

だからこの質問者の人みたいに「特筆すべき経験が何もありません。4年間でしていたことといえば、学校の授業に出ることと週2回の家庭教師のバイトぐらい」みたいに悩んでしまうのだろうけど、どうしたらいいだろうか?

加藤:いま挙がっている「授業に出る」とか「家庭教師」っていうのは、全部Whatの話でしょう? 「文章力が要る」というよりも、同じ「What」の中から、自分のしてきた「How」を再発見するということだと思うな。それこそ、小説なんてWhatだけを挙げたら何てことないことだけで一つの物語ができてて、それで人を感動させるわけだからさ。

角田:だったら、例えば「週2回の家庭教師で、自分がどんなHowをしてきたか」なら、エントリーシートには書けそうだね。

加藤:でしょう? 家庭教師のやり方なんて千差万別。そこで「What」に引きずられると「成績好くなかった子の偏差値上げました」みたいなビフォー・アフターやアウトカム、成果的なことばっかりを書きがちだけれど、それよりも聞きたいのは「どう教えたらそういうふうになったの?」という話だよね。

例えば「特別な参考書を一切使わずに学校の教科書だけで復習してもらいました。それは〇〇の理由です」みたいなHowを聞けたら「なるほど」と思うじゃない。

次ページ面接官は「How」で人となりを知る
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事