「ミニシアターブーム」当時と現代の決定的な差 3人の関係者が語る若者の小規模館離れの本質

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久保:それはまさに僕も、配給やっている中で一番感じていることで。ミニシアター作品が好きな人って、その映画作品が観たいというのももちろんあるんですが、それと同じぐらいに映画館で映画を観ることが目的になっているんですよね。そういう方たちにとっては、映画館に行くこと自体が娯楽になっているので、そこが大作とは違うかなという気はしています。

フラッグの国際共同制作作品となるフランス映画『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』の続編が完成。こちらは2022年に公開予定 ©LES IMPRODUCTIBLES, KALY PRODUCTIONS et CHARADES PRODUCTIONS

亀山:やはり映画館で映画を観ることの面白さを、もう少し伝えられないかなと思うんです。映画館で映画を観たい人たちって、なんだかシャイな人が多いような気がするんです。

久保:よくインスタとかでも、「映画館で映画を観ました」っていう人があげるのって、だいたいワープロで印字されたような半券じゃないですか。あれをもうちょっと作品に紐付けて、ビジュアルを工夫するだけでも、「その映画面白そう」と思う人を増やせるかもしれない。

――前売り券であるムビチケは活用できないですかね?

亀山:でも一般のお客さまがムビチケにたどり着くのも、けっこうハードルが高くないですか?

久保:今は売れ行きが落ちていますからね。コロナ禍以前はムビチケの売れ行きで興行がどうなるか、ある程度読めていたんですが、今はあてにならないですね。

SNS宣伝もまだまだ可能性が残されている

――それこそSNSでは、シネコンに貼ってあるポスターなんかを撮っている人たちの姿をよく見かけますし、あれは何か使えるんじゃないかと思うのですが。

久保:たぶんあれを足すと、すごいインプレッション数になりますよね。

大高:東宝の映画館がすごいなと思うのは、ちゃんとバナー(垂れ幕)がスクエアになっているんですよね。

久保:ソーシャル投稿用に向いていますよね。細かいことなんですけど、そういうことを積み上げていかないと。

亀山:あとツイッターに画像を載せやすいように、縦じゃなく横の画像も作るとか。まだまだやれることはあるんで、もっとデジタルを使いこなさないといけないですね。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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