英国名門研究所の教え「17時には家に帰れ!」 思考のない“作業”は、研究ではない!

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26歳でイギリスのケンブリッジ大学物理学部に留学し、博士号を取得、“Nature Materials”に論文を載せるなど物理学者としての実績を上げながら、現在はオックスフォードで近代日本社会の研究に取り組み、特に教育社会学を学ぶ。地元鹿児島では起業家として教育系NPO法人を設立中。本連載では、領域を超え多岐にわたって活動する30歳・岡本尚也氏が、英国2大名門校、いわゆる「オックスブリッジ」での体験を基に英国流の「知」を語る! 私たちはグローバル化の時流の中で、何を学び、何を大切にするべきか?

 

中世から続く学位授与の儀式(左にひざまずくのが筆者)

前回はカレッジ制の中に生まれる「アイデアを形にする力」についてお話しした。創立800年を超えるケンブリッジ大学の学生生活の中には、ニュートンやケインズ、J.J. トムソン、ダーウィンなど、歴史的偉人が使った部屋や道具などが、さまざまな逸話と共に残されている。普段、何気なく使っている道や部屋も、彼らが使っていたものだと考えると感慨深い。さて、今回は留学生活中に触れた、伝統と現代に通じる教えについて書いていきたい。

誰も真偽を知らない通説がいっぱい

歴史ある…とはいえ、実のところケンブリッジには、本当かどうか疑わしい伝説もけっこうある。たとえば、ニュートンの出たトリニティカレッジの前には「ニュートンのリンゴの木」がある。地味ではあるが、ちょっとした観光名所だ。観光案内では、「これはあの有名なニュートンのリンゴの木の子孫だ!」と説明されていて、トリニティカレッジのホームページには、「ウールズソープ(地名)の彼の家にあったリンゴの木の子孫」と書かれている。

しかしそもそも、ニュートンがリンゴの実の落下から万有引力の法則を思いついたという説自体、本当かどうか謎なのだ。法律でも慣習法の多いイギリスらしい産物である。とはいえ、それが本当でなかったところで誰も損しないうえに地味なリンゴの木を感慨深く感じられるとなれば、この木はニュートンが万有引力を発見した基となったリンゴの木の子孫!でもよいのだろう。

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