ゼネコンが街やビルを「ロボット仕様」にする理由 建設業の「ロボティクス元年」がやってくる

✎ 1〜 ✎ 31 ✎ 32 ✎ 33 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ゼネコン各社が建設ロボットの実用化に向けて動き出している。

大成建設らは今年1月、東京・西新宿で自動運転サービスの実証実験を実施した(写真:大成建設)

特集「ゼネコン異変」の他の記事を読む

建設業界にとって2022年は、建設ロボットの導入が本格的に進展する年になりそうだ。

ゼネコン各社はこれまで独自にDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めていた。だが、「2022年はある程度の連携を図りながら、ロボット化が本格的に推進される年になるだろう」と、業界関係者は語る。

経済産業省のロボット市場予測では、2020年に2.85兆円だった市場が2025年には5.26兆円と2倍近くに、2035年には9.71兆円と3倍超になるとしている。産業用ロボットやサービスロボットの普及が進むと見られる。

この状況下、労働者の高齢化などにより人手不足が深刻化する建設業界でも、建設ロボットの導入を積極化することで建設現場の生産性向上を図る動きがある。

500キロメートル離れた地で左官工事

2021年9月には、スーパーゼネコンの鹿島や清水建設、竹中工務店の3社を中心とする大手ゼネコンの間で、建設ロボットやIoT(モノのインターネット)分野を共同開発する技術連合組織「建設RXコンソーシアム」が発足した。RXとはロボティクストランスフォーメーションのことで、同組織はタワークレーンの遠隔運転や自動搬送などの早期実用化を目指す。

同じく、スーパーゼネコンの大林組は慶応大学と共同で、500キロメートル離れた地でも遠隔でモルタル工事などの職人技術を再現できる「リモート左官システム」を開発。大林組はこのシステムで使用した技術をほかの建設作業へ応用することやシステムの量産化を視野に入れる。

次ページ構造段階から「ロボット仕様」に
関連記事
トピックボードAD