大阪に拠点を構える中堅ゼネコンの高松コンストラクショングループ。ゼネコン界では珍しいコングロマリット経営を標榜している。
独自路線を標榜する中堅ゼネコンが、意外な事業戦略を打ち出した。
大阪市に本社を構える「高松建設」を軸とする高松コンストラクショングループ(CG)は4月、組織形態の変更を発表した。これまでは2つの事業持ち株会社に多くのグループ会社がぶらさがる垂直的な形態だった。だが、今回の組織改編により、今後は中堅ゼネコンの高松建設や青木あすなろ建設、海洋土木のみらい建設工業など、グループの主要5社を中核会社とする水平的な組織に改める。
高松CGの高松浩孝社長は「これまでの組織形態では情報の共有が遅れることや、グループ全体で事業戦略を進める際にその意図が正しく伝わらないことがあった。今回、組織をフラットにすることにより、意思決定の迅速化や各事業会社との連携強化を図る」と語る。
この組織再編でゼネコン関係者が一様に驚いたのは、住宅関連会社の新たな位置づけだ。
ゼネコンには珍しく、戸建て住宅を収益柱に
高松CGは今回、グループ内で住宅関連事業を運営するミブコーポレーションとタツミプランニングを高松CGの100%子会社であるタカマツハウスの完全子会社とした。戸建て事業をグループの収益柱に育成するために、タカマツハウスを軸に展開を強化する。
「これには驚いた。戸建ては消費者に近い領域ということもあり、需要の変化やクレームなどに細やかな対応を求められる。かなり手間がかかるのでゼネコンは通常、参入したがらない」と、大手ゼネコンの社員は話す。
ゼネコンは一般的に、規模の大きなオフィスビルなどの建物や道路・トンネルなどのインフラ工事を担い、規模の小さな個人向けの戸建てを手がけるケースはほとんどない。戸建てを展開している大手ゼネコンは「大成建設と西武建設ぐらいではないか」(中堅ゼネコンの幹部)という。
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