コロナ禍で女性苦しめる「回転ずし型求職」の絶望 現実抜きの就労支援策とゆがんだ職場の危うさ

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2021年8月の野村総合研究所の調査(20歳から59歳の2060人対象)では、転職先を探すパート・アルバイト女性は3割に及び、うち約4人に1人が6カ月以上求職活動をするなど、求職活動の長期化が目立つ。

(外部配信先では図や画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

「ベルトの上で回り続けているだけの回転ずしのよう」

そんな中、2020年12月に公表された厚労省の雇用政策研究会報告書は、コロナ禍に直撃された女性非正規を「円滑な労働移動」によって支えることを目指し、次のような対策を打ち出している。

「マザーズハローワーク等における子育て中の女性等を対象とした担当者制による職業相談・職業紹介等の支援に加え、子育て中の女性等が仕事と家庭の両立を図りやすいテレワークが可能な求人といったように、女性求職者の様々なニーズを踏まえた求人開拓を行う等、早期再就職を支援することで、不本意な非労働力人口化を防止」

だが、コロナ前から非正規比率が5割を超えていた女性の労働市場では、「円滑な労働移動」ができたとしても、清水の例のように移動先は非正規となる確率が高い。

にもかかわらず、「正社員化」の件数引き上げを求められ、ハローワークによっては「週20時間を越えた仕事に就けば正規就職」「ハローワークのいくつかの部署に重複登録した求職者が1つの企業に正規就職したら登録部署ごとに1人達成とする」といったカウント方法まで出ている。

そうしたなかで聞かれるのは「努力して就職を達成しても非正規で雇い止めされやすく、すぐ舞い戻ってくる」という就職相談員の嘆きだ。

なかでも目立つのは、パワハラによる逆戻りだ。夫のDVや上司のセクハラ、親の女の子軽視教育などの暴力に慣れ、パワハラされても自分を責めて対抗できない女性は多い。その結果、黙って退職してはハローワークへ、を繰り返す。「ベルトの上を回り続けているだけで一向に仕事にたどりつけない回転ずしみたい、と言う女性は多い」と、ある相談員は言う

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