「BABYMETAL快進撃!」の絶妙な仕掛け 雛型はPerfume、アミューズ流の戦略とは?

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BABYMETALの快進撃に拍車をかけたのは、夏のワールドツアーの一環として、英国でメタル系ロックの大型イベントSonisphere Festival UKに登場し、ステージを成功させたことでした。ほかにも、レディー・ガガのライブツアーでオープニングアクトを務めたり(なお、同じくレディー・ガガの日本ライブではももいろクローバーZがオープニングアクトを務めている)、英国や米国、カナダなどで多数のライブを行っています。

こうした快進撃は日本国内のマスメディアにも2014年春ごろから取り上げられるようになり、12月にはNHKが「BABYMETAL現象~世界が熱狂する理由~」という特集番組を放送しています。そんなわけで、読者諸氏にもBABYMETALのことをご存じの方はいらっしゃると思います。

こうやって見てみると、このBABYMETAL、これまで本コラムで取り上げたモー娘。、AKB48、ももクロのどれともまったく違うプロデュースの流れになっています。

アミューズらしいアイドルの作り方とは?

どんなアイドルにもそれを生み出す戦略があります。それが環境要因とうまくかみ合ったとき、成功のチャンスが訪れます。モー娘。にはつんく♂の、AKB48には秋元康の、そしてももクロには川上アキラの個性が強く反映されていますが、BABYMETALの戦略を考えるとき、忘れてはいけないのがそれを生み出したアミューズという芸能プロダクションの個性と、そして彼らがBABYMETALより前に成功させたPerfumeの存在です。

アミューズと言えば、サザンオールスターズに代表されるように、アーティスト性の強いミュージシャンが多いことで知られています。Perfumeは広島のローカルアイドルとして2000年に結成され、2003年から東京に進出、アミューズのプロデュースに入ります。アミューズはPerfumeの音楽性を大きく変更し、テクノポップユニットとして打ち出していきます。その後、2008年の「ポリリズム」でブレークし、人気テクノアイドルユニットとして世に出るわけです。

アーティストとしてのアイドルを目指す

Perfumeは、いえ、BABYMETALやその母体となったアイドルグループ「さくら学院」も含めて、アミューズが打ち出すアイドルにはいずれも「握手会」がありません。これは、ファンとの接触による特別な関係をむしろ拒絶することで、ファンに対してあくまで「アーティスト」として向き合うアイドルのあり方を目指しているようにも思えます。

そして、積極的な海外活動を展開していることも特徴的です。もともとテクノポップは世界的に定着していたジャンルでもあり、そこにPerfumeというアイドルを融合させることで海外のファンをつかむことに成功します。

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