それから、夏油のセリフにもいいものがありました。
論点がズレてるよ。
これはふつうの会話でもこのまま使えますので、ぜひ覚えてください。会議中に的外れな発言をした人がいたら、こんなふうに言うことができますね(ちょっと喧嘩腰ですが……)。I think you’re missing the point.とI thinkをつけたほうがちょっとだけマイルドになります。
もうひとつ筆者が気に入ったのは、真希が憂太に気があると思ったパンダが、憂太の発言から「脈あり」と真希にジェスチャー付きで言っているセリフの訳。
脈ありデース。
thingは「物」という意味ですが、thingsと複数形にすると「成り行き」や「事態」の意味で、その時やその場の状況全般を指すことができます。つまりThings are looking good.で「よさげな雰囲気です」とか「(状況が)いい感じ」という意味。これも便利な表現ですね。
『呪術廻戦』 0巻の名セリフ
先ほど、帳の呪文の英訳に触れましたが、せっかくですので0巻での名セリフを最後に取り上げましょう。映画でもなかなかの見どころだったセリフが含まれていますよ。
真希に「呪術高専に何をしにきた」と問い詰められて、「生きてていいって自信が欲しいんだ」と憂太が言うセリフ。
生きてていいって自信が欲しいんだ。
あまりひねりはなく、そのまま訳した形ですね。「自信が欲しい」という部分をI want to believeとしたあたりが、筆者的には刺さりました。
初めて自分から、死んだ恋人の里香を呼び出したと憂太が五条先生に話しているシーン。五条先生がいった哲学的なセリフも印象的でした。
愛ほど歪んだ呪いはないよ。
manifestは「(感情など)を明らかにする」という動詞。distortedは「ゆがんだ」という形容詞。直訳すると「愛がもっともゆがんだ呪いを表出する」という意味です。0巻の最後に里香が呪いになった経緯が明かされますが、そこでまたこのセリフを思い出しました。純愛です!
無料会員登録はこちら
ログインはこちら