では、「祓う」のほうは、どんな表現にすればよいのでしょう。「呪いを祓う」という表現が、他のシーンに出てくるので紹介しましょう。
怪物の形をした呪いに飲み込まれて、その腹の中で真希が憂太に「じゃあ、祓え。呪いを祓って祓って祓いまくれ!!」と言った部分を見てください。
じゃあ、祓え。呪いを祓って祓って祓いまくれ!!
exorcise(〔悪霊など〕を追い払う)という動詞を使っていますね。これが「祓う」の英訳です。1973年のアメリカのホラー映画『The Exorcist(エクソシスト)』をご存じの方ならピンと来る単語でしょう。exorcistは「悪魔払いの祈祷師」のことで、その動詞がexorciseというわけです。筆者は『エクソシスト』を子どものころに見て、ちょっとトラウマになったシーンがいくつかありましたが、なんかそれを思い出してしまいました……。
日常英会話に役立つ真希のセリフ
真希はなかなか口の悪いキャラなのですが、その分そのセリフは日常的に使うものが多く、英語版でチェックすると使えそうなものばかりです。目に留まった表現をいくつかあげてみますので、一緒に見てください。シーンにかかわらず使えるものです。
よそ見してんじゃねぇよ。
これもいい訳ですね。日英どちらもシンプルな表現ですが、意外に結びつかないので参考になります。直訳ではなく、同じ場面で言いそうな英語のセリフになっているのが、英語学習者にお薦めしたくなる理由です。pay attentionは「注意する、集中する」という意味です。
わめくな。
これもストンと腹落ちしますね。Stop screaming.やDon’t scream.ではなく、単にBe quiet.としているのがいいですね。
覚えとけ。
これは筆者も覚えておこうと思った秀逸な訳です。Remember~やDon’t forget~のような表現ではなく、Here’s a lesson for you.というのが日本語のニュアンスにピッタリです。直訳すると「これはあなたのための教訓だ」となりますが、まさに「覚えておけ」というときに使う表現です。
図星か。
これはI thought so.のIが省略されたセリフです。直訳だと「だと思ったよ」という意味ですが、「図星か」というときにピッタリですね。
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