中国の通信行政を所管する工業情報化省は2月28日、2022年末までに5G(第5世代移動通信)基地局を60万基以上新設し、既存基地局を合わせた総数を200万基に増やす計画を明らかにした。
「2022年は5Gの特性を生かした新たな用途を大きく拡大する要の年だ。ネットワーク整備、アプリケーション開発、(5Gを活用した)産業発展に一体的に取り組んでいく」。同日の記者会見で、工業情報化省の総工程師(技官のトップ)と報道官を兼務する田玉龍氏はそう述べた。
同省が掲げた5G基地局の建設目標は、2021年とほぼ同等だ。工業情報化大臣の肖亜慶氏は2020年12月末に開催された会議で、「2021年は主要都市で5Gネットワークの整備を加速し、基地局を60万基以上新設する」と発言していた。
なお、一世代前の4Gと比べると、5Gネットワークの整備のペースは緩やかだ。工業情報化省は(通信事業者に対して)4Gの営業許可証を2013年12月に交付し、その後の1年間で85万基の4G基地局が建設された。さらに1年後の2015年末には、4G基地局の総数は177万基に倍増した。
優先順位つけてネットワーク整備
「わが国では現時点で142万5000基を超える5G基地局が稼働し、5Gネットワークに接続した端末のユーザー数は5億2000万人に上る。5Gの応用範囲は工業、エネルギー、交通などの分野で急拡大しており、デジタル経済が力強く発展している」。肖大臣は2月28日の記者会見でそう強調した。
田報道官の補足によれば、中国の5Gネットワークは国内のすべての地方都市および農村部の小都市の87%をすでにカバーしており、サービスエリアの広さは世界最大だ。
そのうえで、田報道官は今後の方針について次のように述べた。
「2022年の5Gインフラ整備は、必要に即して優先順位をつける。工業団地や工場内など重点区域への敷設を進めるとともに、高速鉄道、交通ターミナル、商業施設など人流が集中する場所での接続性を高める。さらに、農村部でのサービスエリア拡大を継続して推進していく」
(財新記者:覃敏)
※原文の配信は3月1日
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