中国で5G(第5世代移動通信)の商用サービスが始まってから2年余り。国有通信最大手の中国移動(チャイナ・モバイル)は、5Gサービスのカバーエリアを中国の隅々まで広げる方針を打ち出した。
同社が11月2日に開催したイベントで、董事長(会長に相当)の揚傑氏が「2022年末までに中国全土の郷と鎮のレベルまで切れ目なくカバーする」と宣言した(訳注:「鄕」と「鎮」は中国の農村部の行政単位)。同社総経理(社長に相当)の董昕氏によれば、中国移動の5Gネットワーク上ではすでに56万基の基地局が稼働しており、その規模は世界最大だという。
中国移動の5Gユーザー数は、中国の3大国有通信事業者のなかでトップを走る。同社の2021年1~9月期の決算報告書によれば、2021年9月末時点の5Gユーザー数は3億3100万人に達し、2位の中国電信(チャイナ・テレコム)の1億5600万人、3位の中国聯合通信(チャイナ・ユニコム)の1億3700万人に大差をつけている。
2021年上半期に約9000億円を投資
通信業界を所管する中国工業情報化省の報道官は10月19日、2021年9月末時点の中国国内の5G基地局数が115万9000基に達したと明らかにした。つまり、中国移動1社だけで中国の5G基地局のほぼ半分を建設してきたことになる。
だが、5Gネットワークを全国レベルで高密度に整備するためには、中国移動の取り組みはまだ道半ばだ。旧世代の4Gや3Gを含めると、中国国内の移動体通信基地局の総数は2020年末時点で931万基。そのうち4G基地局が半分以上の575万基を占め、都市部から農村部まで緻密なカバーを実現している。
5Gのカバーエリアを4G並みに広げるには、莫大な追加投資が必要だ。中国移動の決算報告書によれば、同社の5G関連投資は2021年1~6月の半年間だけで502億元(約8951億円)に達している。
(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は11月2日
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