中国電信が「5G関連投資」に6600億円超の勝算 基地局70万基を稼働させ全地方都市をカバーへ

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中国電信は5G通信網の拡大を急ピッチで進めている。写真は基地局の設置工事を行う通信機器大手ファーウェイの作業員(ファーウェイのウェブサイトより)

中国の通信2位の中国電信(チャイナ・テレコム)は3月9日、2020年の通期決算を発表した。同年の売上高は前年比4.7%増の3936億元(約6兆5534億円)、純利益は同1.6%増209億元(約3480億円)だった。

2020年の設備投資額は848億元(約1兆4119億円)に上り、前年比9.3%増加。そのうち5G(第5世代移動通信)関連が392億元(約6527億円)と4割以上を占めた。

決算説明会で同社幹部は、2021年の設備投資額について前年比2.6%増の870億元(約1兆4486億円)を計画していると明らかにした。うち46%の約397億元(約6610億円)を5G関連に、25%の約220億元(約3663億円)をデジタル化関連の投資に充てるもくろみだ。

なお、世界的な半導体不足が5G関連の計画に与える影響について、同社幹部は「サプライチェーンの川上および川下の企業と緊密に連携し、半導体の安定確保に努めている」としたうえで、中国電信の5G通信網の建設および5Gスマートフォンの調達に「影響はない」と断言した。

中国聯合通信との協業でコスト削減

中国の5Gは2020年から本格的な拡大期を迎えている。中国電信の決算報告書によれば、2020年末時点の同社の5Gユーザーは8650万人と、過去1年間で8200万人近く増加。同社のモバイル通信の全ユーザー(3億5100万人)に占める比率は24.6%に達した。

同社は5G通信網の建設を通信3位の中国聯合通信(チャイナ・ユニコム)と共同で進めている。中国電信の董事長(会長に相当)を務める柯瑞文氏は決算説明会で、両社の協業を通じて2020年に600億元(約9990億円)以上の設備投資を節約し、さらに共用する基地局の電気料金やアンテナ使用料、ネットワーク維持費用なども低減できたと成果を強調した。

本記事は「財新」の提供記事です

稼働中の5G基地局は2020年末時点で38万基に達し、すでに中国全土の主要な地方都市をカバーした。2021年はさらに32万基を建設し、年末までに合計70万基の稼働を目指す。それにより、5G通信網のカバー範囲を地方のすべての中小都市および農村部の一部にまで広げる計画だ。

(財新 香港駐在記者:周文敏)
※原文の配信は3月9日

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