小麦や大豆などの穀物価格の高騰を背景に、中国の大手食品メーカーが製品の値上げに続々と踏み切っている。
口火を切ったのは醤油の醸造で中国最大手の海天調味食品だ。同社は10月13日、醤油やオイスターソースなどの工場出荷価格を3~7%引き上げると発表した。11月2日には、食酢醸造の老舗企業である恒順醋業も一部製品の5~15%の値上げを表明した。
冷凍食品大手の海欣食品は11月2日、火鍋向けの冷凍の練り製品や調理済み総菜、冷凍麺などの一部について、販売促進インセンティブを縮小するとともに卸売価格を3~10%引き上げると発表した。
人件費、光熱費、物流費なども上昇
わずか1カ月の間に2回値上げした企業もある。酵母製造大手の安琪酵母は9月30日に値上げを実施した後、11月1日に再び一部製品の値上げを顧客に通知した。具体的には、パンや中華まんの製造に使われるアルミ不使用の膨張剤や品質改良剤など価格を、1トン当たり1000~5000元(約1万7780~8万8900円)引き上げた。
食品メーカーの相次ぐ値上げの主因は、原材料である穀物価格の高騰だ。食用油の主原料である大豆を例に取ると、中国海関総署(税関)の貿易統計によれば、2021年1~9月の大豆の輸入平均価格は前年同期より3割上昇した。なかでも6月の輸入平均価格は前年同月の37%高の3658.5元(約6万5048円)に達し、2014年7月以来の最高値を更新した。
さらに人件費、光熱費、物流費などのコストアップも重なり、食品メーカーの生産コストを一段と押し上げているのが実態だ。
(財新記者:孫嫣然)
※原文の配信は11月3日
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