中国海運業界に蔓延る「コンテナ」転売業者の闇

輸送力逼迫に乗じて高値転売。運賃高騰に拍車

中国の海運業界では、転売業者による投機的取引でコンテナ運賃の高騰に拍車がかかっている(写真は中国の国有コンテナ船大手、中遠海運控股のウェブサイトより)

中国各地のコンテナ港では、新型コロナウイルスの防疫対策の影響で貨物の荷捌きが遅れている。そこにクリスマス商戦向けの繁忙期が重なり、コンテナの海上輸送運賃は再び高値を更新した。上海航運交易所が9月10日に発表した上海輸出コンテナ運賃指数(SCFI)は4568.16ポイントに達し、2020年の最低値の820ポイントから約5.6倍になった。

SCFIは上海から欧州やアメリカ西海岸に向かう13の主要航路の運賃に基づいて算出され、最新のスポット運賃相場を反映している。新型コロナの流行前は、上海からアメリカまでの運賃は40フィートコンテナ1本当たり約1500ドル(約16万4865円)だった。ところが今や、荷主の照会に対するフォワーダー(貨物運送代理業者)の提示価格は約16倍の2万5000ドル(約274万7750円)に暴騰している。

コンテナそのものも、コンテナ船の積載スペースも全く足りない。そんな状況のなか、中国の海運業界では「黄牛(ファンニュウ)」と呼ばれる転売業者による投機的な取引が活発化している。

「国際コンテナ運賃の異常な高騰の主因は輸送力の逼迫だ。しかし理由はそれだけではない。黄牛たちが市場の混乱に乗じて、コンテナの高値転売を繰り返していることも運賃を押し上げている」。財新の取材に応じた上海のあるフォワーダーは、そう実態を明かした。

転売業者もコンテナ確保に苦戦

国際輸送に使用されるコンテナには、海運会社や船主が所有するものと、リース会社が所有するものとがある。「船主と良好な関係を持つ黄牛は、(そのコネを使って)コンテナを大量に調達し、次の黄牛に転売する。業者間で転売を繰り返すうちに価格は跳ね上がる。フォワーダーにとっては、今やコンテナを転売するほうが本業よりも儲かる」。前出のフォワーダーはそう解説し、さらにこう続けた。

本記事は「財新」の提供記事です

「同業者の多くが黄牛に鞍替えした。自分の会社はまだ手を染めていないが、顧客の出荷ニーズに応えるためには、黄牛に依頼しないとコンテナを確保できない。物流コストの大幅アップは避けられない状況だ」

もっとも、業界の内情に詳しい別の人物によれば、黄牛の転売ビジネスも決して楽な稼業ではないようだ。「黄牛は(転売用の)コンテナを入手するため、海外の港に滞留している空コンテナを中国まで運んで来なければならない。苦労して中国までの輸送ルートを確保し、安くはない空コンテナの輸送料も負担している」。この人物はそう裏事情を語った。

(財新記者:賈天瓊)
※原文の配信は9月10日

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