中国によるアメリカ産原油の輸入が増え続けている。中国海関総署(税関)が10月25日に発表したデータによれば、2020年9月のアメリカからの原油輸入量は前年同月の約7.5倍の389万7400トン(1日当たり約95万バレル)と過去最高を更新。これにより、中国の国別の原油輸入先でアメリカは第4位に浮上した。
今年1月16日、中国とアメリカは両国間の貿易協定の「第1段階」に合意。中国は向こう2年間でアメリカ産の「エネルギー関連製品」の輸入を524億ドル(約5兆4952億円)分増やすと約束した。これについてエネルギー業界の関係者の多くは、中国がアメリカ産の液化天然ガス(LNG)と原油の輸入を大幅に増やすと予想した。
そして7月、中国のアメリカ産原油の輸入量は366万5800トンと過去最高を記録。この時点で、アメリカは中国の原油輸入先で第5位に躍り出た。一方、エネルギー関連のコンサルティング会社のアーガス・メディアによれば、アメリカにとって中国はすでに5月から4カ月連続で最大の原油輸出先となっている。
アメリカから中国に向かうタンカーが倍増
海関総署のデータを見ると、アメリカからの原油輸入量は4月までは極めて少なく、増加し始めたのは5月以降だ。年初から9月までの輸入量は累計1092万4000トンに達している。
アーガス・メディアによれば、8月はアメリカから6隻の超大型タンカー(VLCC)が中国に向けて出港し、9月はこれが12隻に増加した。アメリカから中国までの海上輸送には1カ月前後かかることを考えると、10月のアメリカ産原油の輸入量はさらに拡大しそうだ。
なお、中国が9月に最も多くの原油を輸入したのはサウジアラビアからで、その量は前年同月比8.59%増の778万4300トン。
第2位はロシアで、輸入量は同18.61%増の747万8300トンだった。
(財新記者:羅国平)
※原文の配信は10月27日
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