100万台達成、中国で顧客を定着させる時期に来た--東風汽車・中村総裁インタビュー
10月の中国新車販売台数が前年比25%増と絶好調だったことが明らかになった。1~10月の累計は35%増の1468万台。年間で世界最高の販売台数となることは確実な情勢だ。中国市場はなぜこれほど力強いのか。日産自動車の中国での合弁会社、東風汽車有限公司の中村公泰総裁(社長)がインタビューに答え、今後の中国戦略を詳細に語った。
--2010年の中国新車販売は想像以上に足腰が強いようです。
全需は10年1~6月期で905万台となった。前年同期がおよそ600万台だったので、1.5倍だ。通年では09年は1364万台であったが、今年は間違いなく1700万台はいくだろう。1700万台の半ばまでいくかもしれない。
東風日産の販売台数も好調だ。1~8月の実績である83万5000万台は前年より50万台近くも増え、去年の年間実績をすでに売り切ってしまった。乗用車シェアでいうと、07年の7位から毎年1位ずつ上げ、10年は7月まで4位だった。8月は花都工場の増産工事の関係で生産台数が落ち、瞬間的に5位になったが、4位の北京現代との差はわずか3000台。残りの3カ月で取り戻し、年間では4位をとりたい。
東風日産はかねてより、販売台数100万台、1000億元の売り上げを目標としてきた。1000億元は09年に達成し、11月には100万台達成のセレモニーができるのではないか(注:実際は11月1日に100万台達成を発表。あわせて、10年の年間目標を120万台に設定したことも明らかにした)。東風グループの今年度目標である220万台のおよそ半分を支えることになり、われわれの会社が東風グループの中で大きな柱になってきたとことがわかると思う。
政策縮小を政策で軟着陸
中国では09年、排気量1600cc以下の小型車に対して10%の購入税を5%にするいわゆる「イチロク減税」が実施され、新車販売は強く刺激された。この減税措置が今年から7.5%に緩和されたことによるマイナスが懸念された一方で、低燃費車に3000元を補助する政策が新たに導入され、軟着陸が図られた。
当初、下期の新車市場はもっとシュリンクするだろうと思われていた。夏休みに入る8月から下がり始めるという見方もあったほどだ。しかし、ふたを開けてみれば、東風日産でも8月は好調で、9月も6万4815台と過去最高の卸売台数を記録した。11年の春節は2月3日から始まる。12月から1月は忙しくなるだろう。
日本の自動車保有台数は100世帯あたり108台だが、中国では北京でもまだ23台であり、多くの地域では5台以下である。一方で、中国国内には東京より人口が少ない省はわずか5つ(注:チベット、青海、寧夏、海南、天津)しかない。この国の潜在需要の大きさを改めて感じている。
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