100万台達成、中国で顧客を定着させる時期に来た--東風汽車・中村総裁インタビュー

--具体的な戦略は。

まず、中古車の下取りについて充実を図っている。中国では下取りというビジネスがまだ定着していない。土、日になると市場が立ち、ドライバーはいらなくなった車を持って行って直接取引する。そこで手に入れたキャッシュを持って新車を買いに来る。あるいは、友達や部下にあげてしまうケースもある。当社でも下取りの扱い量は年々増えているものの、まだ販売台数に対して7%程度にとどまっている。

この状況を変え、ディーラーできちんと適正査定を受けてもらい、適正な価格で下取ってもらい、下取った車が再度小売りにつなげることが大事だ。この一連の流れが東風日産車の中古車価格を上げ、ブランドのバリューを上げることにつながる。中古車価格が下がると顧客が他へ流れてしまう。

中国でもそのうち、初めて買う車が中古車であるという時代が来る。そのために早くから全国的な中古車網を作っておきたい。「この地域ではティーダが人気」というような特徴があるので、自社内で中古車を流通させることが、全体的な中古車バリューを上げることにもつながる。そこで、年内に391あるディーラー全店で下取りサービスを実施する。ディーラーとの共同出資で、北京、深セン、東莞には中古車センターも開設した。

短期リースで増車・買い替えへ誘導

もう1つ新しい試みがレンタカーだ。「易租車(簡単に車を借りる、の意味)」というブランドも作った。といっても、米国や日本にあるようなレンタカー事業をしたいのではない。レンタカーで儲けるのではなしに、主に、保有顧客に対して、短期間リースをするという内容の事業です。増車や買い替えへの誘導をするのが主な目的だ。

例えば「今、ティーダに乗っているがシルフィにも乗ってみたい」というお客さん。試乗車はもちろんあるが、ディーラーの周りを30分乗るのではなしに、一週間じっくり有料で試乗してもらう。あるいは、大事なお客様を乗せるためにティアナを一時期借りたいというお客さん。あとは中国では今キャンプが流行していますが、荷物が多くはいるミニバンを借りてみて検討する、というようなお客さん。こうしたお客さんが増車や買い替えしてくれれば嬉しい。実際買っていただいたときにはレンタカーは新車価格から引きますよ、というようなこともする。

北京や広州など8都市13拠点で、レンタカーを取り扱うディーラーを認定し、2010年の保有台数は600台。稼働率は95%で、ほとんど出払っている状態だ。だいたいは1週間~1カ月間の間に、ビジネスや旅行用途でお使いいただいている。12年には60店で5000台規模に増やすつもりだ。いろいろなディーラーから「うちもやりたい」と手が上がっている。

ほかにも、電話で販売を受け付けるカスタマー・オペレーション・センター(COC)の開設も進めている。ある鄭州の店舗では、販売台数に対するコールセンターの割合は14%にも上る。つまり14%は電話で車が売れている。2011年には全店舗でCOCを設置する目標だ。

オーナーズクラブ「Nクラブ」の充実も図っている。Nクラブの活動はオーナー向け試乗会、感謝祭、懇親会、無料点検キャンペーンなど活発で、日本では考えられないくらい多くの参加がある。ディーラーに併設してある板金センターに修理を出す間、クラブ会員ならば落ち着いた専用ルームで待っていられるとか、そんなサービスも提供しています。インフィニティ店舗だと葉巻も用意してあって高級感がありますよ。

東風日産の増車率(同じメーカーから同じメーカーのモデルに増車した比率)はもともと、他社に比べ抜きん出ていると自負しているが、こうした新戦略で増車・乗り換えいずれの需要も獲得していきたい。

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • ミセス・パンプキンの人生相談室
  • iPhoneの裏技
  • 地方創生のリアル
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
沸騰! 再開発バトル<br>「不動産好況」はいつまで続く

東京をはじめ、地方都市でも活況が続く都市再開発。人口減少時代に過剰感はないのか。ベンチャーの聖地を争う東急・三井両不動産、再開発で「浮かんだ街・沈んだ街」、制度を巧みに使う地上げ最新手法など、多方面から街の表と裏の顔を探る。