「疲れている人」をあまり見ない職場のある共通点 元GAFA人事と産業医に聞くエンジニアの働き方
大室:そうですね。でも、そもそもエンジニアは、理屈で考える人が多く、ふんわりした顔色伺いのハイコンテクストより、明文化されたローコンテクストを好む傾向がありますよね。

連続起業家、投資家、経営コンサルタント、執筆者。モルガン・スタンレーを経て、Googleで人材開発、組織改革、リーダーシップマネジメントに従事。2015年に独立し、未来創造企業のプロノイア・グループを設立。2016年にHRテクノロジー企業モティファイを共同創立し、2020年にエグジット。2019年に起業家教育事業のTimeLeapを共同創立。ベストセラー『NEW ELITE』ほか、『パラダイムシフト 新しい世界をつくる本質的な問いを議論しよう』『PLAY WORK』など著書多数。新著に『世界最高のコーチ』。ポーランド出身。
その点では、ほかの職種よりもリモートワークに順応できた人は多そうです。通勤もなくなるし、コロナ禍の働き方の変化を「うれしい」と感じる人も多いのではないでしょうか。
ピョートル:ただ、通勤がなくなると、これまで会社に行くだけで仕事をしたような気になっていた人も、より一層アウトプットと自己管理能力が求められますよね。
僕が思う自己管理とは、体と感情を健全に保ち、仕事のパーパス(目的)をはっきりさせて、仕事にフォーカス(集中)すること。
いくら体のコンディションがよくても、パーパス、いわば使命感や目標がなければ、つまらないし、働いていてストレスがたまる。
体・感情・フォーカス・パーパス、この4つのバランスがとれていることが大事。それができないと、リモートワークもつらいものになってしまいます。
シリコンバレーで働くエンジニアの自己管理

──コロナ禍において「自己管理力」は疲労を軽減する1つのキーワードになりそうですね。
ピョートル:そうですね。実は僕、シリコンバレーで働くエンジニアを見ていて「疲れている人」ってあまり印象にないんですよ。でもこれって、彼らが働いてないっていうことではないんですね。
シリコンバレーでは「ひたすら働くけど、しっかり自己管理もする」文化が根付いているんです。