「疲れている人」をあまり見ない職場のある共通点 元GAFA人事と産業医に聞くエンジニアの働き方
──世の中が変化するスピードが今後も増していくことを考えると、ストレスや疲労にさいなまれるリスクも高まっていくと言えますよね。エンジニアは今後どうやって自分の「疲労」と向き合っていけばいいと思いますか。
大室:まずは疲労を軽んじて無視しないこと。体が出す疲労のサインに気づけるようになることです。
例えば、人間は疲れてくると人とのコミュニケーションがおっくうになります。電話をとるのが面倒になったり、メールの返信が遅くなったりしたら、疲れのサイン。そんなときは、あえて人とつながらない時間を確保することも大事です。
ピョートル:ちょうど私が次に執筆する本のテーマも「デジタルデトックス」なんですよ。
僕にとってスマホはオフィスですが、Slackやメール、SNSの通知はあえて全部オフにしています。
意識して「デジタルデトックス」する
──平日もですか?
ピョートル:そうです。平日だろうといつだろうと、そういうものは自分が見たいタイミングで見ればいいと思っているから。社員には「急ぎの要件は電話して」と伝えてあります。
僕は著書にもSNSのIDを記載しているくらいで、人とのつながりは大事にしたいタイプです。でも通知をオンにすると、2分おきくらいに反応しなきゃいけなくなる。
そうなると仕事にも集中できないし、プライベートタイムもなくなってしまいますから、自衛のためにあえて通知をオフにしています。
大室:今は、ちょっと人とつながりすぎていますよね。新幹線でも飛行機でもWi-Fiの電波が入りますし。
ピョートル:そうなんです。私はテクノロジーが大好きだけど、使い方次第では、敵になってしまうと思っていて。便利なはずのスマホが、自分の大切な時間を邪魔するものになっては意味がないですよね。
この1時間は「仕事に集中したい」とか「家族や恋人との時間を大事にしたい」とかその時間の優先事項を決めることが大事。そして、スマホやパソコンはそれを邪魔しない設定にしておく必要があると思います。